昨日、ゴールドマン・サックスから日本株の最新トップピック銘柄が発表され話題になっています。レポート自体にはアクセスできないのですが、概要がブルームバーグで報道されています。

これによれば、同社は、日本株の魅力を4つの軸で分析し、22社を抽出しているとのことです。4軸とは、コーポレートガバナンス、価格是正や金利上昇による恩恵、日本半導体サプライチェーンの世界ポジション強化とAIインパクトの裾野拡大、グローバルマクロに依存しない日本企業特有の事業モデルやテーマの特異性、だそうです。

いずれも、それなりに納得できる切り口だと思います。特に、ガバナンスについては、私も、今年は成長を後押しする『攻め』のガバナンスが大きなテーマになるのではと考えています。

一般に、ガバナンスというと、ブレーキの印象が強いですが、東証のPBR改革のおかげで、利益を高めることが企業統治上重要だという意識が経営陣に浸透しつつある印象です。実際、この年末年始に、相当多くの企業の統合報告書を読み込んだのですが、過去よりも多くの企業が資本コストやROIC(投下資本利益率)を開示するようになったことに驚きました。

さらに、攻めのガバナンスが期待されるのが業界再編やM&Aの推進です。PBR向上に向けて、利益率が高い会社との合併や成長分野のM&A等が当然の帰結となるでしょう。ゴールドマンは、ガバナンスの切り口で、東レ(3402)、三菱電機(6503)、東洋水産(2875)、ホンダ(7267)を注目銘柄に挙げているようです。

もう一つ、価格是正や金利上昇という軸には、三菱UFJ FG(8306)やみずほFG(8411)が入っています。これは金利上昇の恩恵をストレートに反映したものだと思います。金利という他力本願以外に、資本を利益向上に貢献するM&AやIT投資に振り分けるという攻めのガバナンスへの転換という点からも注目したいと思います。

昨年は、若干期待先行で19%も上昇した日経平均株価ですが、今年は利益向上の様々な施策が実際に実り始める年だと考えています。織り込まれている部分もあるとしても、今年も相応の上昇を期待できると思います。