東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続伸となりました。日経平均は1円安の39,129円と小幅に反落して寄り付くも、その後急速に上げ幅を拡大する展開となりました。12月期決算企業の期末配当や株主優待の権利付き最終日でもあり、権利取りを目的とした個人投資家等の買いが相場を支え、前場は205円高の39,336円で取引を終えました。

後場に入ると上げ幅を一段と拡大し、総じて堅調に推移しました。13時半頃から、39,500円を超えて推移し、15時7分には461円高の39,592円をつけ、本日の高値を更新しました。高値を付けた後は、上げ幅をやや縮小し最終的には437円高の39,568円で大引けとなりました。

新興市場では、東証グロース250指数が小幅に続伸、0.1%高となりました。

2.個別銘柄等

J.フロント リテイリング(3086)は一時9.0%高をつけ、年初来高値を更新し続伸となりました。25日に発表した第3四半期決算では、インバウンド需要が引き続き好調で、純利益が前年同期比71.4%増の370億円と大幅増益となったことを好感した買いが入りました。

三越伊勢丹ホールディングス(3099)は7.6%高をつけ、続伸で取引を終えました。25日、岩屋外務大臣が訪問先の北京にて中国人向けのビザ発給に関する緩和措置を表明したことで、中国人訪日客の増加とそれに伴う百貨店売上の拡大を期待した買いが入りました。同様の理由で高島屋(8233)は5.2%高で続伸、ドン・キホーテを運営するパン・パシフィック・インターナショナルホールディングス(7532)は一時6.7%高で年初来高値を更新し、6日ぶりに反発となりました。

東映(9605)は1.0%安で4日続落となりました。国内証券が投資判断と目標株価を引き下げたことが売り材料になりました。大型映画タイトルの収益貢献期待が弱まったとし、先行きの利益予想を下方修正しています。

ヤクルト本社(2267)は1.3%安で続落となりました。11月のヤクルトシリーズの1日当たりの販売数量が、前年同月比で10%減となったことや、2024年度は総じて前年同月比で販売が減少している状況が続いていることから業績への影響を懸念した売りが出て株価を押し下げました。

月面開発の民間宇宙ベンチャーであるispace(9348)は12.9%高で4日ぶりに大幅反発で取引を終えました。取引時間中に、イタリア政府が管轄する宇宙機関と月面まで荷物を輸送する契約を締結するといった発表をしたことが材料となり、買いが入りました。

そのほかの銘柄では、国内証券が投資判断と目標株価を引き上げた本田技研工業(7267)が3.8%高で5連騰となりました。また、昨日ROE目標を2倍の20%とすると報じられたトヨタ自動車(7203)も6.0%高をつけ、2日連続の大幅高で取引を終えました。

VIEW POINT: 明日への視点

日経平均は1.1%高で取引を終えました。年内残り2営業日となるなか、40,000円の大台を回復して1年を締めくくれる可能性も見えてきたことから、一段高を期待しつつ明日は日本の経済指標に注目です。

物価指標では全国の先行指標となる12月の東京都区部消費者物価指数の発表が予定されており、コア指数では前年同月比2.5%上昇が市場予想とされています。前回11月から伸びが加速するものと予想され、実質賃金の算定に用いられる物価動向に注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)