モトリーフール米国本社 – 2024年12月22日 投稿記事より

株式市場で人工知能(AI)の話題を独占してきたのはエヌビディア[NVDA]で、同社の株価は過去5年間で2,190%上昇、投資家やメディアを魅了し、一時は時価総額で世界トップに躍り出ました(足元では第2位)。

しかし、AIや半導体分野の投資機会は、エヌビディアだけでは決してありません。実際、半導体メーカーのマイクロン・テクノロジー[MU]の2025年度第1四半期(2024年9~11月期)売上高は前年同期比84%増の87億ドルとなり、データセンター売上高に限れば400%を超える増収となりました。

これほどの急成長にもかかわらず、同社の株価は過去最高値から44%も下落しています。最近の株価下落とAI分野における可能性を考えると、マイクロン・テクノロジー株は今が絶好の投資機会なのかもしれません。直近の決算内容について振り返ります。

マイクロン・テクノロジーとは

マイクロンは、DRAM、NAND、HBM(広帯域メモリ)といったメモリチップ分野のリーダーです。同社は統合デバイスメーカーでもあり、インテル[INTC]やサムスン電子のように自社で半導体の設計から製造まで行っています。

メモリチップは非常に循環的なビジネスであり、価格変動や過剰供給の影響を受けやすく、また自社でファウンドリを所有していることで、マイクロンは半導体業界の好不況によって大きく左右されます。ファウンドリを運営するには高水準の資本が必要ですが、統合型のビジネスモデルのおかげで、同社は事業が好調な時に高い利益率を確保することができます。

実際に、マイクロンの株価は変動が大きく、過去10年間では過去最高値を更新する前に40%超下落したことが4回ありました。

循環性とボラティリティは、マイクロン株に投資する上でのリスクの1つです。しかし、現在の半導体業界は、PCやスマートフォンといった軟調なサブセクターもありますが、AIの爆発的成長に牽引されて好況期にあることは間違いありません。エヌビディアの驚異的成長に加えて、業界の雄である台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)[TSM]も、先日発表した第3四半期売上高が前年同期比36%増の235億ドルとなり、セクター全体の力強い成長を裏付けています。

マイクロンの経営陣は旺盛なAI需要について言及し、第1四半期(9~11月期)のデータセンター売上高が初めて全社売上高の50%を上回ったことを明らかにしました。エヌビディアも先駆者として同じ道をたどっています。今では、マイクロンの売上高の大部分は、AIコンピューティングが行われるデータセンターからのものとなっています。

決算を受けてマイクロンの株価が下落した理由

12月18日に四半期決算と同時に発表された12~2月期のガイダンスが低調だったことを受け、マイクロンの株価は19日に19%も下落しました。しかし、同社は保守的なガイダンスを発表してきた実績があり、しかも軟調なのはスマートフォンなどの消費者市場が原因で、AI事業は依然として好調です。

AIと密接な関係があるHBM事業は、目覚ましく成長しています。会社側は今年度(2025年8月期)のHBM事業が年度目標を達成し、HBM売上高は「記録的な水準」に達し、「収益性とフリーキャッシュフローの大幅な改善」が見込まれると述べています。

第2四半期の売上高は第1四半期の87億ドルから79億ドルに、調整後1株当たり利益(EPS)は1.79ドルから1.43ドルに、前期比で減少が予想されています。

しかし、この低調な見通しに関する経営陣の説明は、投資家を安心させる内容でした。サンジェイ・メロートラCEOは、スマートフォンなどの消費者向けセグメントにおける季節性と顧客の在庫削減が第2四半期の業績に影響を及ぼすことは、以前から警戒されていたことだと説明しました。同CEOはさらに、「顧客の在庫削減の影響はますます顕著になっている。この調整期間は比較的短期間で終わると見られ、春には顧客の在庫水準はより健全な水準となり、2025年度下半期から2025年末にかけて当社のビット出荷量は好転が見込まれる」と述べました。

言い換えれば、第2四半期の低調なガイダンスの原因は持続的な逆風ではなく、一時的なものにすぎず、経営陣は年度後半には成長を取り戻すとみているということです。1度のガイダンス下方修正で株価が17%も下落するのは市場の読み違えと思われ、今は投資のチャンスかもしれません。

マイクロン株に投資妙味を感じる理由

マイクロンは、AIブームに乗っており、データセンター売上高は急増し、最大の顧客とみられるエヌビディアは売上高全体の13%を占めています。AIブームの現段階で、先日の2024年8~10月期決算で前年同期比94%の増収を発表したばかりであるエヌビディアとの密接な関係は追い風です。

マイクロンの業績が不安定で循環的ですが、同社は適切な環境下で大きな利益を生み出す能力を持っており、AIブームの進展に伴ってそうした環境が整いつつあるとみられます。例えば、マイクロンはHBMの最大市場規模が2024年の160億ドルから2028年には640億ドル、2030年には1,000億ドルと大幅に成長すると予想しています。このセグメントで現在の市場シェアを維持するだけでも、マイクロンのHBM売上高は4年後に4倍に、6年後には6倍になるということです。

最後に、マイクロンの株価は他のAI関連銘柄や半導体株と比べてはるかに割安で、2024年予想株価収益率はわずか10倍です。ガイダンスを受けて予想利益は引き下げられる可能性が高いものの、いずれにしても足元の株価はお買い得と思われます。

マイクロンに投資するなら、半導体やAIのサイクルを注意深く監視する必要がありますが、株価には大きな上昇余地があります。2024年夏に付けた過去最高値に戻れば、株価は75%の上昇となり、さらにデータセンターの力強い成長が続けば、今後1~2年は株価も上昇し続ける可能性があります。マイクロンは、急成長しつつ、足元で大幅な割安となっている数少ないAI銘柄と言えるでしょう。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Jeremy Bowman は記載されているどの企業の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はインテル、エヌビディア、台湾セミコンダクター・マニュファクチャリングの株式を保有し、推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。