東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は小幅に反発となりました。241円高の39,332円で取引を開始した日経平均は寄り付きを高値に伸び悩むとまもなくしてマイナスに転じ9時40分過ぎに118円安の38,972円まで下落しました。しかし、節目の39,000円を割り込んだところで押し目買いが入り持ち直すと106円高の39,197円で前場を終えました。

101円高の39,193円でスタートした後場の日経平均は引き続き上値が重く伸び悩むと小幅にマイナスとなる場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し結局69円高の39,160円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

楽天グループ(4755)が一時7.6%高となりました。「楽天モバイル」回線の音声と月30Gのデータプランを1年間無料で利用できる株主優待を発表したことから買いを集めました。

丸一鋼管(5463)も一時8.2%高となりました。自己株式を除く発行済み株式総数の6.76%にあたる550万株、200億円を上限とする自社株買いを発表したことで上げ幅を広げました。

建機レンタル大手のカナモト(9678)も一時9.2%高となり年初来高値を更新しました。設立60周年の記念配当の実施と、自己株式を除く発行済株式総数の2.54%にあたる90万株、20億円を上限とした自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。

また、ヤマハ発動機(7272)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時3.2%高となったほか、情報サービス大手のTIS(3626)が目標株価の引き上げを受けて一時4.7%高となり年初来高値を更新しました。

一方で「鳥貴族」などを展開するエターナルホスピタリティグループ(3193)が一時10.3%安となりました。海外出店による支出が先行したことなどから第1四半期の営業利益が前年同期比で2.9%減となったことで下げ幅を広げました。

調剤薬局大手のアインホールディングス(9627)も一時9.9%安となりました。調剤報酬改定の影響などが響き上期の営業利益が前年同期比で32.9%減となったことから売りが膨らみました。

さらに投資判断と目標株価の引き下げを受けて関西電力(9503)やZOZO(3092)が安く、関西電力が一時3.0%安となり年初来安値を更新し、ZOZOも一時6.0%安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は69円高となりました。先週末の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。しかし、利益確定の売りが出て一時マイナスとなるなど伸び悩みました。

そのため上値の重さが意識されそうで、来週に予定されている米連邦公開市場委員会(FOMC)や日銀の金融政策決定会合などの重要イベントをこなして、年末に向けてどこまで水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)