東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、4日続伸となりました。寄付きは、前日の米国市場にて主要3指数が揃って最高値を更新したことを背景に、334円高の39,610円で取引を開始しました。一方で前日までに3日続伸と短期的な過熱感も意識され、寄付き後は利益確定の売りに押される展開となりました。
上値は重く前場は212円高の39,488円で取引を終えました。後場も基調は変わらず、上げ幅を縮小する展開となりました。目立った材料もなく、また今週末に発表予定の米雇用統計を前に積極的な買いは控えられ、14時45分頃には本日の安値である46円高の39,323円をつけました。後場は総じて一進一退で推移し、最終的には119円高の39,395円と4日続伸で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が反発、0.1%高となりました。
2.個別銘柄等
フジクラ(5803)が一時6.3%上昇、年初来高値を更新し5日続伸となりました。外資系証券による目標株価の引き上げが買いを呼びました。データセンターやAIサーバー向けの需要が来年度も伸長すると予想されています。同じく電線株の古河電気工業(5801)、住友電気工業(5802)も目標株価が引き上げられ、3社ともに年初来高値を更新する上昇となりました。
三菱重工業(7011)が一時4.1%高で年初来高値を更新しました。なお終値では2.2%安で4日ぶりに反落となりました。韓国での大統領弾劾訴追案の手続き開始が伝わり、日韓関係の不安定化が懸念されたことで、防衛関連銘柄が買われました。その他の防衛関連銘柄である川崎重工業(7012)は2.8%高、IHI(7013)は0.4%高で取引を終えました。
積水ハウス(1928)は0.7%安で続落となりました。本日の第3四半期決算にて、増収増益を発表するも、通期見通しは据え置きとしたことから、材料出尽くしと受け止められ売られる展開となりました。
熊谷組(1861)は6.3%高をつけ、3日続伸となりました。同社の先行きの建築粗利益率の改善を見込み、投資判断と目標株価それぞれが引き上げられたことが買い材料となりました。
アパレル大手のワールド(3612)は一時2.1%高をつけ年初来高値を更新、6日続伸となりました。前日に発表した国内の既存店売上高が速報値ベースで前年同月比4.7%増と好調な販売動向を発表したことで買いが集まりました。
その他の銘柄では、ニンテンドースイッチの後継機の発売が近いとの思惑から任天堂(7974)が買われ、1.2%高で9連騰となりました。化学品メーカーの大阪ソーダ(4046)は19.2%高で東証プライム市場にて値上がり率トップとなりました。前日に行われた中間決算と事業計画の説明会にて、増収増益や需要増による工場の生産能力増強計画を発表したことが評価されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は短期的な過熱感が意識されながらも4日続伸と今週に入って強さがうかがえます。前日のパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長も米国経済の強さに言及しており、年末ラリーにむけて米国市場に引っ張られる可能性は高いでしょう。明日は、日本では毎月勤労統計、米国では雇用統計が発表されます。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)