東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、4日ぶりに小幅に反発となりました。213円高の38,749円で取引を開始した日経平均は、外国為替市場でドル円が円安方向に展開したことを背景に主力株が買われたほか、メガバンクの好決算により銀行株が相場を押し上げ、上げ幅は一時565円高まで拡大し、3万9000円台に乗せる場面もありました。しかし、その後、円安進行が一服すると日経平均も押し戻される展開となり、前場は306円高の38,842円で取引を終えました。後場に入ってからも、心理的節目である3万9000円を前に足踏みする展開が続きました。引けにかけて伸び悩むと上げ幅を縮め、結局107円高の38,642円と本日の安値で取引を終えました。
新興市場では、東証グロース250指数が3日ぶりに小幅に反発となりました。
2.個別銘柄等
3メガバンクが14日発表した2024年4-9月期決算は、合計の純利益が前年同期36%増の2兆5495億円となりました。これを受け、みずほフィナンシャルグループ(8411)が一時7.1%高となり年初来高値を更新し、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)が一時2.2%高、三井住友フィナンシャルグループ(8316)が一時1.7%高となりました。特にみずほフィナンシャルグループについては、今期の純利益と配当予想を上方修正したほか、16年ぶりの自社株買いを公表し大幅高となりました。その他の銀行株も買われ、りそなホールディングス(8308)やふくおかフィナンシャルグループ(8354)、北洋銀行(8524)などが上げ、りそなホールディングスは年初来高値を更新しています。
円安進行を背景に自動車株も買われ、トヨタ自動車(7203)は前日比1.4%で取引を終えました。日産自動車(7201)は、アクティビストとして知られる香港投資ファンド「オアシス・マネジメント」による保有が伝わり、経営改革への要求が強まるとの見方から買われ、一時6.7%高となりました。その他、本田技研工業(7267)が2.2%上昇したほか、マツダ(7261)とSUBARU(7270)も1%以上上昇しました。
また、電力株は、前日に関西電力(9503)が大規模な増資を公表したことで下落していましたが、本日は軒並み上昇しています。関西電力は1.2%高で取引を終え6日ぶりに反発したほか、九州電力(9508)は一時5.1%高、北陸電力(9505)は一時4.9%高、東北電力(9506)は一時5.5%高となっています。
一方で、電通グループ(4324)は、14日に公表した決算で今期業績の下方修正を行い、前日比700円(14.6%)安の4097円まで下落し、ストップ安となりました。
また、アサヒグループホールディングス(2502)は、一時8.7%安となりました。14日に発表した2024年1-9月期の決算で、純利益は前年同期比5%の増益となるも、7-9月の営業利益が市場予想を下回ったほか豪州市場の低迷が警戒され売りが優勢となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は4日ぶりに反発となりましたが、心理的節目の3万9000円を前に上値が重い展開が続いています。そうしたなか、本日公表された7-9月の国内総生産(GDP)速報値は物価変動の影響を除いた実質の季節調整値が前期比0.2%増、年率換算で0.9%増と市場予想を上回る結果を示しました。個人消費も0.9%増と押し上げに寄与したことから、日銀の見通しに沿った「オントラック」な内容で、追加の利上げ観測を高める結果といえるでしょう。また、米国では本日、米小売売上高が公表されるほか、来週20日(水)にはエヌビディア[NVDA]の決算を控えています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)