今週(11月8日~11月14日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):トランプトレードにより史上最高値を更新
ビットコインは、米国のトランプ新政権における暗号資産推進への期待から強い買いが継続し、連日史上最高値を更新する展開となった。
米大統領選挙でトランプ氏の勝利確実が報じられ、ビットコインはBTC=1,186万円(76,000ドル)付近まで急上昇した。週末を挟んでもみ合う場面もみられたが、米国のビットコイン準備金に関する法案がSNSで話題になると再び買いが強まった。マイクロストラテジー[MSTR]が過去最大規模のビットコイン追加購入に動く中、ビットコイン現物ETFへの資金流入が日次で10億ドル以上を記録し、ビットコインはBTC=1,404万円(90,000ドル)付近まで大きく上昇した。
また、米国では、今回の選挙で共和党の暗号資産支持派が数多く勝利し、トリプルレッドを達成したことで暗号資産規制見直しへの期待が高まった。これを受け、暗号資産関連企業が米国で証券性を指摘されてきた銘柄を再上場するなどの動きがあり、一部のアルトコインが強い値動きとなった。特にイーロン・マスク氏の政府効率化省(通称:DOGE)のトップ起用により、ドージコインが高騰した。
このような中、米国の10月消費者物価指数が12月FOMC(米連邦公開市場委員会)の追加利下げを支持する内容だったこともあり、ビットコインは一時BTC=1,450万円(93,000ドル)付近まで値を伸ばした。
来週(11月15日~11月21日)の相場予想
BTC(ビットコイン)はトランプ新政権への期待先行で10万ドル達成なるか、過熱後の急落には要警戒
米大統領選挙のトランプ氏勝利を受け、ビットコインの上昇の勢いが止まらない。米国の暗号資産規制見直しや国家準備金としてのビットコイン購入への期待が先行し、節目となるBTC=1,560万円(100,000ドル)まで一気に駆け上がる可能性はあるだろう。今ではビットコイン現物ETFの取り扱いがあるため、これまで以上の資金流入の速さと規模によって価格が高騰しやすい。
一方、先物市場ではやや過熱気味となっているため、短期的な急落には警戒が必要である。一部のアルトコインが高騰していることも投資家がリスクオンに傾いていることを示唆しており、ビットコインのドミナンスが急低下した際には価格が急落する恐れがあるだろう。また、米国におけるビットコイン準備金の過度な期待が増しているが、政府とは独立したFRB(米連邦準備制度理事会)を説得する必要があることを踏まえると、その導入までには相応の時間を要することが予想される。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,560万円(100,000ドル)、下値はBTC=1,217万円(78,000ドル)を意識する。