東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、3日続落となりました。日経平均は、189円高の38,911円で取引を開始しました。前日に発表された10月のCPI(米消費者物価指数)が市場予想通りだったため、FRB(米連邦準備制度理事会)の利下げ観測に変化がないとの安心感からダウ平均が上昇し、日本市場でも買いが先行しました。その後、円安進行と歩調を合わせ上げ幅は一時362円まで拡大し、心理的節目の3万9000円を上回る場面もありました。ただし、日銀が年内に追加利上げに踏み切るとの観測などが重荷となってマイナス圏に沈む場面も見られ、前場は39円高の38,761円で引けました。後場に入ってからは、前日終値付近で小動きとなりました。その後も方向感に欠ける展開が続きましたが、引けにかけてはやや売りが優勢となり結局185円安の38,535円と本日の安値で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が続落となりました。

2.個別銘柄等

三菱重工業(7011)は、一時5%を超える上昇を見せました。目標株価の引き上げが伝わり、商いを伴った上昇となりました。

メルカリ(4385)は、一時9%超の上昇となりました。アクティビストの香港投資ファンド「オアシス・マネジメント」が同社株を5.37%保有していることが13日に伝わり、経営改革の期待から思惑買いを集めています。

生成AI(人工知能)の普及によりデータセンター向け生産が好調の電線株も買いを集めました。古河電気工業(5801)は一時5%を超える上昇で年初来高値を更新し、終値も6000円台に乗せて7連騰となりました。住友電気工業(5802)も一時7%超の上昇となり、年初来高値を更新しました。フジクラ(5803)は一時2%近く上昇した後、下落に転じ結局2%安となっています。

円安進行を背景に日銀の追加利上げ観測の広がりを受けて、銀行株も買われており、みずほフィナンシャルグループ(8411)が1%以上上昇したほか、三菱UFJフィナンシャル・グループ(8306)と三井住友フィナンシャルグループ(8316)も0.5%以上上昇しました。

セブン&アイ・ホールディングス(3382)は、13日、創業家の資産管理会社から買収提案を受けたと正式に発表しました。カナダ同業の買収に対抗する狙いがあるとみられています。13日に一報を受けて大きく上昇した株価は、本日は一時3%を超える下落となりました。

関西電力(9503)は、一時18%を超える下落となりました。13日に新株発行や自社株売却などで最大5049億円を調達すると発表したことで、株式需給の悪化や1株利益の希薄化への懸念から売りが広がりました。他の電力会社も連れ安となり、東北電力(9506)は一時10%超下落、九州電力(9508)は一時9%超下落、北陸電力(9505)は一時7%超下落となりました。

半導体関連株も売られており、レーザーテック(6920)は5%安となり年初来安値を更新したほか、ディスコ(6146)は4%超下落、東京エレクトロン(8035)は3%超下落、アドバンテスト(6857)は3%近く下落しています。

VIEW POINT: 明日への視点

米国株が高値圏で推移する中、日経平均は大台の4万円を前に上値が重い展開が続きます。そうしたなか、本日引け後にはメガバンクの決算が公表されるほか、明日15日には7-9月のGDP(国内総生産)が公表され、注目が集まります。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)