【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 42,221.88  △427.28 (11/5)
NASDAQ: 18,439.17  △259.19 (11/5)

1.概況

米国市場では主要3指数がそろって上昇しました。米大統領選挙当日を迎え、政治的な不透明感の解消が期待される中、ダウ平均は40ドル高で取引を開始し、寄り付き後も上昇しました。その後、10月の米ISM非製造業景気指数が市場予想を上回る改善を示し、ソフトランディングへの期待が買いを後押ししました。また、米経済の底堅さが維持されているなかでFRB(米連邦準備制度理事会)による利下げが継続するとの観測から、景気敏感株を中心に買いが広がり、堅調に推移しました。最終的にダウ平均は427ドル高(+1.02%)の42,221ドルで取引を終えました。また、S&P500株価指数は70ポイント高(+1.22%)の5,782ポイントで、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は259ポイント高(+1.42%)の18,439ポイントで、それぞれ取引を終えました。

2.経済指標等

9月の米貿易収支の赤字額は前月比19.2%増の844億ドルとなりました。また、10月のISM非製造業景気指数は56.0となり、市場予想(53.6)と前回結果(54.9)を上回りました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数では、全11業種のうち全ての業種が上昇しました。なかでも、一般消費財・サービスと消費財・サービスが1.5%超上昇したほか、公益事業や情報技術、不動産などが1%以上上昇しました。

4.個別銘柄動向

米国市場では、ダウ平均構成銘柄のうち25銘柄が上昇しました。インテル[INTC]とゴールドマン・サックス[GS]は3%超の上昇を記録し、ゴールドマン・サックス[GS]とアメリカン・エキスプレス[AXP]も2%超上昇しました。また、キャタピラー[CAT]、ユナイテッドヘルス・グループ[UNH]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、マクドナルド[MCD]も1.5%超の上昇を見せています。一方で、5銘柄が下落し、特にボーイング[BA]は2.5%超の下落となりました。そのほか、シェブロン[CVX]、ダウ[DOW]、メルク[MRK]、セールスフォース・ドットコム[CRM]が小幅に下落しています。

ダウ平均構成銘柄以外では、情報分析ソフトを提供するパランティア・テクノロジーズ[PLTR]が第3四半期決算を公表し、AIソフトへの旺盛な需要を背景に30%の増収を達成して市場予想を上回り、23.5%上昇しました。また、AIおよびクラウドインフラ向けの接続ソリューションを提供するアステラ・ラボ[ALAB]は第3四半期決算で売上高とEPS(1株当たり純利益)が市場予想を上回り、37.7%の上昇を見せました。一方、化学素材メーカーのセラニーズ[CE]は第3四半期決算で市場予想を下回る売上高、EPS、ガイダンスを発表し、四半期配当を一時的に95%削減することも公表したため、26.3%の大幅下落となりました。また、アップル向けの部品サプライヤーであるシーラス・ロジック[CRUS]とNXPセミコンダクターズ[NXPI]も弱い決算見通しを発表し、それぞれシーラス・ロジックは7.1%下落、NXPセミコンダクターズは5.2%の下落となりました。

5.為替・金利等

長期金利は0.01%低い4.27%となりました。ドル円は、円高方向に展開し、151円台半ばで推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて、上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか、日経平均は、米大統領選挙の投開票により不安定な動きとなりそうです。開票は日本時間の6日午前8時から中西部インディアナ州と南部ケンタッキー州で始まり、他の州でも順次進められます。また、国内ではトヨタ自動車(7203)や伊藤忠商事(8001)、日本郵船(9101)の決算公表が場中に予定されており、決算結果を受けた個別銘柄の動向にも注目です。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)