東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は、続伸となりました。衆院選を通過し、事前に株価指数先物等を売っていた海外勢が買い戻す動きがこの日も続き、相場を支えました。また米国の長期金利の上昇を背景に、業種別東証株価指数の銀行業は2.5%高、他にも保険や証券商品先物といった金融株が上昇をけん引しました。

前場は、前日の大幅上昇から利益確定の売りに押され、前日比81円安の38,524円で寄り付きました。その後は早々に反転し、10時40分頃には39,000円に迫る292円高の38,897円まで上昇するも、213円高の38,819円で前引けとなりました。

後場も堅調に推移し、金融株等の内需株が物色されました。最終的には298円高の38,903円と本日の高値で取引を終えました。

新興市場では、東証グロース250指数が続伸、2.1%高となりました。

2.個別銘柄等

日東電工(6988)が前日比72.5円(3.0%)高の2,507円をつけ、大幅続伸となりました。28日の今期の第2四半期決算にて、累積営業利益は前年同期比69.5%増の1,092億円と堅調な業績を発表したことが好感され買いを呼びました。データセンター向けの回路材料やタブレット端末向け光学フィルムの需要拡大が業績に寄与しました。また、データセンター向けの需要が引き続き確認できたことが市場では好感されています。

TOTO(5332)は前日比、一時677円(13.7%)安となる4,247円をつけ、4日ぶりに大幅反落となりました。28日の第2四半期決算にて、累積営業利益は前年同期比58.1%増の241億円と従来予想の160億円から上振れるも、株価は軟調に推移しました。下期の業績について、中国大陸事業の業績悪化を見込んでいるとしたことが投資家から嫌気され株安につながりました。

さくらインターネット(3778)が前日比705円(16.2%)高、ストップ高となる5,060円をつけ、3日続伸となりました。28日の今期の第2四半期決算にて、累積営業利益が前年同期比約5.2倍と大幅増益となったことに加え、米エヌビディア[NVDA]から画像処理半導体(GPU)を搭載したサーバーの購入することも発表し、これらが買い材料となりました。

総合塗料メーカーである日本ペイントホールディングス(4612)は前日比、一時240円(23.6%)高の1,258.5円をつけ、年初来高値を更新する大幅続伸となりました。米化学企業のAOC(テネシー州)を買収することを発表し、買収に伴う業績拡大を期待した買いが集まりました。同社は被買収会社を高い収益性とキャッシュ・フロー創出力を有すると評価しており、通年で15円から17円、EPSを押し上げると試算しています。

半導体商社のマクニカホールディングス(3132)は前日比186円(9.5%)安の1,777.5円をつけ、大幅反落となりました。28日の第2四半期決算にて、減収減益となる決算内容と通期の業績の下方修正が失望売りへとつながりました。中国の産業機器向け半導体需要の落ち込みが想定以上に長引いたことが要因で、半導体市場の回復は来年度になる見込みとし、ネガティブな印象が嫌気されました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は、底堅く推移し0.8%高で続伸となりました。日米の長期金利が上昇し、銀行株が上昇する一方で、グロース株も上昇し、全体の強さがうかがえました。

明日に向けて、日本では大引け後にキーエンス(6861)、コマツ(6301)、NEC(6701)の決算が控えています。米国では、アルファベット[GOOGL]、AMD[AMD]、マクドナルド[MCD]、ファイザー[PFE]、ビザ[V]の決算が注目されます。

(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)