今週(10月18日~10月24日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):米大統領選挙と追加利下げ観測の思惑が錯綜し上値の重い展開
ビットコインは、米国でトランプ氏当選への期待が高まる中、追加利下げ観測の後退により上値の重い展開となった。
米国内の世論調査においてトランプ氏の支持率が上昇するにつれ、ビットコインはハイテク株とともに堅調に推移し、一時BTC=1,049万円(69,000ドル)付近まで上昇した。ビットコイン現物ETFへの資金流入が7営業日連続でプラスとなったことも相場を押し上げた。また、このタイミングでは、トランプ氏支持を表明しているイーロン・マスク氏の発言を受け、ドージコインも急騰した。
しかし、アトランタ連銀総裁が追加利下げに慎重な姿勢を示したため、市場では当局者発言への警戒感が高まり、ビットコインは売りが強まった。続いてダラス連銀総裁やミネアポリス連銀総裁、サンフランシスコ連銀総裁、カンザスシティ連銀総裁が追加利下げを支持したものの、利下げペースに関する慎重な意見もあり、次回のFOMC(米連邦公開市場委員会)では金利据え置きの可能性が高まった。この影響で、米国金利が上昇し、ビットコインはBTC=996万円(65,500ドル)付近まで下落した。
その後、テスラ[TSLA]の決算発表でビットコインの保有継続が明らかになり、市場は安心感からBTC=1,018万円(67,000ドル)付近まで反発した。直近において、テスラのウォレットからビットコインの移動が確認されていたが、この発表により売却懸念が後退した。
来週(10月25日~10月31日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米大統領選挙と金融政策の不透明感からもみ合いを予想
ビットコインは、米大統領選挙と金融政策の不透明感から、もみ合いを予想する。投票日まで残り2週間。トランプ氏が支持率を上げており、同氏が優勢に傾いた場合はリスク資産の買いが強まることが考えられる。一方で、その勢いが止まれば相場は停滞するか、失望売りが強まるだろう。イーロン・マスク氏が立ち上げたトランプ氏支援団体の違法性が問われており、これが違法とみなされた場合、トランプ氏の支持率低下とともにビットコインも下落する可能性がある。
また、米国では11月のFOMCを前に、追加利下げのペースについて当局者の意見が分かれており、金融政策の見通しが不透明になっている。10月の米雇用統計が前回に続いて市場予想を上回る結果となった場合、金利据え置きの可能性が高まり、ビットコインが株式とともに下落する恐れがある。逆に、追加利下げを支持する内容であれば、買いの勢いが増すだろう。イスラエルとイランの対立関係にも引き続き注視が必要である。
直近の価格レンジとして、上値はBTC=1,064万円(70,000ドル)、下値はBTC=973万円(64,000ドル)を意識する。