【米国株式市場】ニューヨーク市場
NYダウ: 42,924.89 ▼6.71 (10/22)
NASDAQ: 18,573.13 △33.12 (10/22)
1.概況
米国市場は小幅に高安まちまちとなりました。54ドル安でスタートしたダウ平均は、前週まで6週連続の上昇で過去最高値圏での推移が続いていたことから目先の過熱感や高値警戒感で売りが出て、下げ幅は一時213ドル超まで拡大しました。その後は、国際通貨基金(IMF)が、賃金の上昇などを背景に2024年と2025年の米国の経済成長見通しを上方修正したことを受けて、企業決算でも好調な業績が見られるなか米経済のソフトランディング(軟着陸)に対する楽観的な見方が広がり、ダウ平均は一時プラスに転じる場面もありました。しかし、長期金利の上昇が重しとなり、利益確定売りなども出て結局ダウ平均は6ドル(0.01%)安の42,924ドルで取引を終え、小幅に続落となりました。S&P500株価指数も2ポイント(0.04%)安の5,851ポイントとなり、こちらも小幅に続落しています。一方で、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数は、33ポイント(0.17%)高の18,573ポイントで取引を終え、5日続伸となりました。
2.経済指標等
10月の米リッチモンド連銀製造業指数は-14となり、市場予想(-18)を上回りました。
3.業種別動向
業種別S&P500株価指数は、全11業種のうち生活必需品やコミュニケーション・サービス、エネルギーなどの5業種が上げ、生活必需品は1%近く上昇しました。一方で、資本財・サービスや素材、公益事業などの6業種が下げ、資本財・サービスは1%超下落しました。
4.個別銘柄動向
ダウ平均構成銘柄では16銘柄が上昇しました。マイクロソフト[MSFT]は2%超の上昇を記録し、ウォルマート[WMT]は1.5%超、アムジェン[AMGN]は1%近く上昇しました。そのほか、アメリカン・エキスプレス[AXP]やジェイ・ピー・モルガン・チェース[JPM]、ハネウェル・インターナショナル[HON]なども上昇しました。一方、13銘柄が下落し、特にベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]は22日に発表された決算で売上高が市場予想を下回り、5%超の下落となりました。スリーエム[MMM]が2%超下落したほか、インテル[INTC]も2%近く下落し、ホーム・デポ[HD]とセールスフォース・ドットコム[CRM]もそれぞれ1%以上の下落となっています。ダウ平均構成銘柄以外では、ゼネラルモーターズ[GM]が市場予想を上回る好決算を発表したことで9.8%上昇しました。また、たばこメーカーのフィリップ・モリス・インターナショナル[PM]も第3四半期決算で売上高とEPSが市場予想を上回り、ガイダンスを引き上げたことから10.5%の大幅高となりました。一方、世界最大規模の防衛請負企業ロッキード・マーチン[LMT]は、第3四半期決算でEPSが市場予想を上回ったものの売上高は市場予想を下回り、6.1%の下落を見せました。また、電気自動車メーカーのテスラ[TSLA]は10月23日の第3四半期決算を控え、様子見の格好となり株価は0.4%下落しました。
5.為替・金利等
長期金利は0.02%上昇して4.21%となりました。ドル円は円安方向に動き、151円前半で推移しています。
VIEW POINT: 今日の視点
本日の日本市場は、米国市場が高安まちまちとなったことで、軟調なスタートが予想されます。そうしたなか、本日プライム市場に新規上場する東京メトロ(9023)の値動きに注目が集まっています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 岡 功祐)