4万円台を一時回復するなか、特徴的なローソク足の組み合わせが発生

前回のコラムで、特徴的なもち合いのフォーメーションである「ウエッジ型(くさび型)」を紹介しましたが、日経平均は10月15日現在もこのウエッジ型のフォーメーション範囲内で株価が上下動しているのが分かります。

また、3連休明けとなる10月15日は窓をあけて上昇し、3ヶ月ぶりとなる4万円台を回復して始まりました。しかし、ウエッジ型の上値抵抗線に接近したことや4万円台での戻り売りに押されてしまい、終値で4万円を回復することはできませんでした。

ただ、株価水準が切り上がっているため、いずれ終値で4万円台を回復すると考えている投資家が多いと思われるものの、10月9日から15日にかけて、その期待を裏切るかもしれない特徴的なローソク足の組み合わせが発生しているので解説したいと思います。

その組み合わせは、株価水準が徐々に切り上がっているなか、5日連続で発生したローソク足の陰線の組み合わせです。普段、陽線や陰線の数や発生した水準などに注意を払ってローソク足を見ているでしょうか?

今回5日連続で発生した陰線の組み合わせを「5陰連(ゴインレン)」と呼び、5日連続で陰線が発ししていることを示しています。一方、陽線が5日連続で発生すると、「5陽連(ゴヨウレン)」と呼びます。5陰連は売り圧力の強さを示し、5陽連は、底堅さを示す組み合わせになります。

こうした5陰連が高値圏で発生したり、5陽連が安値圏で発したりすると、トレンド転換のサインとなることがあるため注目しておく必要があるのです。10月15日までに発生した5陰連を形成するローソク足すべてを下回って戻せなくなると、ウエッジ型のフォーメーションを下放れることが考えられるとともに、下放れた場合、下落が加速することもあるため、ここからの値動きは慎重にチェックする必要があります。

【図表】日経平均株価(日足)
出所:i-chartより株式会社インベストラスト作成
※ 移動平均線は5日、75日、200日を表示

モメンタムの上昇が続くか要注目

続いては、上昇と下落の勢いを教えてくれるモメンタムについてです。モメンタムを見ると、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインに接近していましたが、10月15日には上向きに変化しているのが分かります。

そのため、モメンタムの上昇が続くかどうかが注目ポイントになりそうです。仮にモメンタムの上昇が続くようなら、5陰連が発生していても下放れを回避してもち合いが継続したり、抵抗線を突破して上放れたりすることが期待されます。その反面、モメンタムが下向きに変化して0ラインを割り込んで低下したり、低下が続いたりする場合は、ウエッジ型の支持線(サポートライン)を割り込んで下放れることが視野に入るため、買いポジションを持っている投資家は、損失の発生や拡大に要注意です。