東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は、4日続伸となりました。前週末から前日にかけて米国市場にて、ダウ平均とS&P500指数が最高値を更新した流れを引き継ぎ、3ヶ月ぶりの水準となる441円高の40,047円で寄り付きました。
前場は、上値で利益確定の売りに押されながらも日経平均先物の上昇も後押し、堅調に推移しました。11時過ぎには本日の高値である40,257円をつけ、その後626円高の40,232円で前引けとなりました。
後場に入ると、上値が重く、利益確定の売りが出て最終的には、4万円を下回る304円高の39,910円で取引を終えました。今月に入り、エヌビディア[NVDA]が13%高と好調に推移していることもあり、半導体関連株が相場をけん引しました。
新興市場では、東証グロース250指数が3日ぶりに反発、0.4%高となりました。
2.個別銘柄等
ビックカメラ(3048)が前週末比192円(12.6%)高の1,722円と大幅高となりました。11日の2024円8月期の本決算にて、営業利益が従来の会社予想を上回る243億円(前期比71.6%増)と発表しました。また、今期のガイダンスでも増収増益の見込みであること、前期から3円増配となる年間配当額を36円とすることが公表され、株価にはポジティブな反応となりました。
九州地盤のドラッグストアであるコスモス薬品(3349)は前週末比618円(8.4%)高の7,938円となりました。2025年5月期の第1四半期決算にて、営業利益が前期比28.8%増の115億円となったことを発表、市場予想を大きく上回る増益を好感した買いが集まりました。通期の業績予想は据え置かれているものの、営業利益の進捗率は既に36.6%と、上方修正の可能性が高まったことも株価を押し上げました。
飲食店大手のクリエイト・レストランツ・ホールディングス(3387)は前週末比、一時、51円(4.5%)高の1,179円を付け、年初来高値を更新しました。2025年2月期の中間決算において、営業利益は前年同期比16.5%増の48億円となったことを発表、また年間配当を前期比1円増となる8円を予定し、株主優待の利用可能店舗を拡大するといった株主還元の拡大も好感され買いが集まりました。
その他の銘柄では前期の営業利益が61.7%増の大幅増益となったこと、今期も増収増益のガイダンスを発表したメガネチェーンのジンズホールディングス(3046)がストップ高となる前週末比1,000円(19.4%)高の6,160円をつけ年初来高値を更新しました。葬祭や印刷業の広済堂ホールディングス(7868)もストップ高となる前週末比16円(16.2%)高の575円をつけました。2025年度の第1四半期営業利益は前年同期比170.8%と大幅増益を発表したことが買いにつながっています。名刺管理サービスのSansan(4443)は2.7%安の2,166円をつけ反落となりました。第1四半期の決算は前年同期比44.4%増と成長を示すも、株式関連報酬の増加を理由に最終損益は一転して赤字となったことが嫌気されました。
VIEW POINT: 明日への視点
日米ともに、主要企業の決算が本格化していく中で、底堅い決算内容を示せるかに注目が集まります。前週末に発表された米国の銀行セクターは堅調さが示され好スタートが切れたと考えられます。アナリストのS&P500指数構成銘柄のリビジョンインデックスが夏ごろから下方修正されている中で、懸念を払しょくできる決算内容を示せるかに注目です。
本日引け後の決算銘柄は、日本では東宝(9602)、高島屋(8233)、マネーフォワード(3994)、串カツ田中ホールディングス(3547)、米国ではユナイテッドヘルス[UNH]、バンク・オブ・アメリカ[BAC]、ゴールドマンサックス[GS]、ジョンソン&ジョンソン[JNJ]、シティグループ[C]が予定されています。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)