日経平均は大幅なギャップアップでスタートか
米雇用統計の強い結果を受けて、先週末の米国株式市場でダウ平均は4日ぶりに最高値を更新した。長期金利も上昇し、外国為替市場ではドル円相場が一時149円台をつけるなど1ヶ月半ぶりの円安水準となった。日経平均先物は3万9000円台半ばまで上昇した。こうした流れを受けて週明けの東京市場で日経平均は大幅なギャップアップで取引を開始するだろう。その後の展開次第で日経平均は4万円の大台回復が視野に入ってきた。
日本株に追風の材料も豊富
そのカギを握る材料は豊富だ。まず米国の経済指標では10日に9月の消費者物価指数(CPI)、11日に卸売物価指数(PPI)が発表される。それほどインフレが鈍化しなければFRBの利下げペースの低下観測につながり、ドルのサポート材料となり日本株には追い風だ。
国内では小売りなど2月期企業の決算発表が本格化してくる。8日にはJ・フロントリテイリング、10日にはセブン&アイ・ホールディングスなどの発表がある。
今週、中国市場が国慶節明けで売買が再開される。9月下旬の大規模な景気刺激策の発表を好感し上海総合指数、香港ハンセン指数ともに大幅高となっている。一足早く10月2日から取引を再開した香港ハンセン指数はさすがに上値が重くなっているが、国慶節明けの上海総合指数がどうなるか注目される。
懸念材料は中東、日本の政治ニュースがマーケットに影響するかは不透明
懸念材料は中東情勢だ。イスラエルのイラン石油施設への攻撃も警戒されるなか、原油価格上昇→インフレ再燃のリスクも頭に入れておきたい。
最後に国内の政治面での材料としては、石破首相が派閥の政治資金パーティー裏金事件で不記載があった議員らについて、次期衆院選で比例代表への重複立候補を認めない方針を表明した。4月に決めた党内処分が続いている議員の一部については小選挙区での公認もしないとした。裏金議員について、原則公認し、比例代表との重複立候補も原則容認する案もあったが、世論からの強い批判を背景に、石破首相が党内を押し切った形だ。これによって衆院選での自民大敗のリスクは低下したとみられる。株式市場にとってもプラス材料のはずだが、相場がどれだけこのニュースに反応するかは不透明だ。
予想レンジは3万8500円~4万500円とする。