東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。396円高の38,266円で寄り付いた日経平均は直後に370円高の38,240円を付けた後大きく上げ幅を広げると、前引け間際に963円高の38,833円まで上昇し942円高の38,812円で前場を終えました。

881円高の38,751円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に1,014円高の38,884円まで上昇した後14時前に798円高の38,668円までやや弱含みましたが、パッシブファンドによる配当の再投資に絡むとみられる買いが引けにかけて先物に入り上げ幅を広げると結局1,055円高の38,925円と本日の高値で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

昨日の米国市場の取引終了後に決算を発表した米半導体大手のマイクロン・テクノロジー[MU]が市場予想を上回る業績見通しを示し、時間外取引で急伸したことから半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時8.1%高、SCREENホールディングス(7735)が一時6.0%高、アドバンテスト(6857)が一時5.7%高、ディスコ(6146)も一時9.3%高となりました。

日本オラクル(4716)も10.9%高となり年初来高値を更新しました。基幹システムをクラウドへ移行する事業が拡大したことなどにより、第1四半期の営業利益が前年同期比で20.2%増となり、市場予想を上回ったことから買いを集めました。

J-オイルミルズ(2613)も一時6.6%高となり年初来高値を更新しました。ミールバリューの改善などにより油脂コストが軟調に推移したことや、適正な販売価格実現への継続的な取り組みなどにより通期の営業利益の見通しを70億円から85億円に上方修正したことで大幅高となりました。

シャッター最大手の三和ホールディングス(5929)も一時10.2%高となり上場来高値を更新しました。米投資ファンドのバリューアクト・キャピタルが共同保有分を含め三和ホールディングス株を5.94%保有していたことが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかとなったことから上げ幅を広げました。

また、本日から29日までの日程で「東京ゲームショウ2024」が開催されることからゲーム関連銘柄が高く、コナミグループ(9766)が一時5.6%高、スクウェア・エニックス・ホールディングス(9684)が一時3.0%高、カプコン(9697)も一時5.1%高となり、コナミグループとカプコンは上場来高値を更新しています。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は1,055円高となりました。一時145円台を付けた円安に加え、米半導体株高を受けて大きく上昇しました。また、配当狙いの買いもあって節目の38,000円を超えて上げ幅を大きく広げ、75日移動平均線(38,283円)や9月2日に付けた戻り高値(38,700円)を上回りました。そのため底入れ確認への期待が一段と強まりそうです。

なお、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数と4-6月期の米実質国内総生産(GDP)確定値が発表されるほか、22時20分にはパウエルFRB(米連邦準備制度理事会)議長が米ニューヨーク連銀主催のイベントで挨拶を行う予定です。

また、明日は権利落ち日で、260円程度とみられる配当落ちがあります。13時からマーケットでの関心が高い自民党総裁選の投開票も行われるなかで配当落ちをどれだけ埋めることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)