東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は米国株高を受けて3日続伸となりました。558円高の37,714円でスタートした日経平均は寄り付きをほぼ安値に上げ幅を広げると11時10分前に819円高の37,974円まで上昇し、780円高の37,935円で前場を終えました。
666円高の37,822円でスタートした後場の日経平均は14時前に764円高の37,919円まで上昇した後伸び悩むと14時50分前に498円高の37,654円まで上げ幅を縮めましたが、その後引けにかけてやや持ち直すと結局568円高の37,723円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
SMC(6273)が一時3.4%高となりました。半導体の製造などで使う冷却装置「チラー」事業の2027年3月期の売上高を1000億円と、2024年3月期の2倍に増やすと高田芳樹社長が明らかにしたと伝わったことで買いが優勢となりました。
レゾナック・ホールディングス(4004)も一時11.4%高となりました。電気製鋼炉の電極に使用される黒鉛電極の販売価格を20%以上引き上げると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
同じく黒鉛電極を生産する東海カーボン(5301)や日本カーボン(5302)にも買いが波及し、東海カーボンが一時10.0%高、日本カーボンも一時4.1%高となっています。
ホタテなどの水産物を加工販売するヨシムラ・フード・ホールディングス(2884)も一時13.3%高となり年初来高値を更新しました。日本の原発処理水の海洋放出を巡り、これまで日本産水産物の禁輸措置をとってきた中国が輸入再開に向けて調整していると伝わったことで大幅高となりました。
また、昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が4%を超える上昇となったことから半導体関連株が買われました。東京エレクトロン(8035)が一時5.9%高、アドバンテスト(6857)が一時4.7%高、レーザーテック(6920)が一時6.4%高、ディスコ(6146)が一時5.4%高、ソシオネクスト(6526)も一時6.3%高となりました。
一方で上期の業績見通しを発表したSANKYO(6417)とアイ・アールジャパンホールディングス(6035)が売られました。SANKYOはパチンコ機関連事業で販売台数が減少する見込みであることなどにより、上期の営業利益が前年同期比で23%減となる見通しを示したことから一時9.7%安となりました。
アイ・アールジャパンホールディングスも積極的な人的投資の実施にともなう人件費の増加等などにより、上期の営業利益が前年同期比で40.1%減となる見通しを示したことから一時3.6%安となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は568円高となりました。大幅利下げが米景気を支えるとの見方が強まったことで、昨日の米国市場でダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新したことから大幅高となり、25日移動平均線(37,447円)や200日移動平均線(37,621円)を上回って取引を終えました。そのため調整一巡との見方も出てきそうで、来週以降の一段高への期待が高まりそうです。
なお、昼前に発表となった日銀の金融政策決定会合の結果は現状維持となりました。追加利上げのタイミングについて見方が分かれていることもあり、本日の15時30分から行われる記者会見での植田和男総裁の発言に関心が集まりそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)