BTC(ビットコイン)は9月1週目の金曜日、雇用統計後に一時750万円付近まで下落しましたが、先週は850万円前後まで回復しました。現在は810-820万円で推移しています。

特段大きなニュースはありませんが、ボラタイルな日々が続いています。米株式市場は指数ベースで9月16日に史上最高値を更新しました。9月の株式相場は下がりやすいとよく言われますが、9月のダウ指数は絶好調です。

その一つの理由としては、9月18日のFOMCが挙げられます。現在、市場コンセンサスは0.25%あるいは0.50%の利下げで、意見が分かれている状態です。おそらく、今回の金融緩和が確実視されていることが、市場に買いを呼び込んでいるのではないでしょうか。

しかし、個人的にはどちらの結果が出ようと、株式市場は一旦安心感で買われるものの、利下げは大きく織り込み済みのため、そのタイミングで「セル・ザ・ファクト」となると予想し、暗号資産も連れ安にならないか警戒感を強めている状況です。

BTC(ビットコイン)はSMA30が抵抗帯に

【図表1】BTC/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY日足チャート分析です。先日からSMA30(黄色)に上値を抑えられて反落傾向にあります。9月に入り、SMA30(黄色)、SMA90(水色)、SMA200(橙)と下から順に綺麗に並びました。移動平均線では下落相場開始の合図となっており、もう一段安を警戒する局面ではないかと考えます。

MACDも8月の急落から幾分調整しており、経験的には、再び下落が開始される際に大きく下げていきそうな位置で推移しています。SMA90も間もなく900万円に差し掛かろうとしており、10月以降も900万円付近が大きな上値の目安となりそうです。

【図表2】BTC/JPY 4時間足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

BTC/JPY4時間足に切り替えます。SMA200(橙)に上値を抑えられました。日足のSMA30と重なっていた価格帯ですが、こちらも見事に機能したと言えるでしょう。

MACDはデッドクロスしており、0.00付近まで沈下しています。マイナス圏に沈むと、下落トレンドが加速しやすいタイミングになるため、今後の押し目買いは要注意でしょう。SMA90も再び割り込み始めていることを考えると、今一度800万円を割込み、750-800万円台の推移が見られるかもしれません。FOMC後の値動き次第ではあるものの、一度、これらの価格帯に下落することを見越して、深い押し目買いを予想しておきます。

ETH(イーサリアム)は年初来安値更新の可能性か?

【図表3】ETH/JPY 日足チャート
出所:MONEX TRADER CRYPTO(iPhoneアプリ)

続いて、ETH/JPY日足チャート分析ですが、BTCよりも上値が重い展開が続いています。
2024年1月の価格に近く、年初来安値水準付近です。8月5日の急落時につけた30万円までは残すところ2万円。あと6~7%程度といったところで、ここを割り込むと25万円方向が意識されるのではないでしょうか。

ところで、2022年秋頃、イーサリアムは大型アップデート「マージ」が行われました。これを機に、イーサリアムはPoS(プルーフ・オブ・ステーク)への移行準備段階に入り、いくつかのアップデートを経て、コンセンサスアルゴリズムがPoSに移行しました。

ただ、最近はSOLやTONといった優秀なアルトコインが台頭してきたため、イーサリアムの開発エンジニアが不足し、L2レイヤーであるトークンからの投資家離れも加速傾向にあります。そのため、トランザクション活性化が見られない状態が続いています。

こうした状況から、2022年の最大供給量を上回る可能性もあると考えている投資家が大口の売りを行っているのではないかと、個人的にはみています。よって、状況が改善されるまでは戻り売り中心の戦略で続け、下落余地の点からも、ETHの売り方向を意識したレポートが続きそうです。

9月は株式市場が不安定になりやすい時期です。暗号資産も今週中に買い場探しを実行するより、もう1週間見極めてから判断をした方がよいのではないかと予想しています。