75日移動平均線上を維持できず、ついに200日移動平均線割れ
東京市場は軟調な展開が続いています。前回のコラムで解説したように、7月31日につけた戻り高値を更新できなかったことから、75日移動平均線上を維持することができず、株価は反落してしまいました。また、9月4日の大幅安では窓をあけて下落して始まると、下げ幅を拡大してしまい、緩やかな上向きを続ける200日移動平均線を再び下回ってしまいました。
さらに、下向きに変化した5日移動平均線が上値の抵抗になっているのが分かります。こうした状況から、株価の反発局面がいったん終了し、安値を探る展開になっているのではないかと思われます。
そうしたなか、下げ止まりの目途を探るポイントとして注目されるのが、9月9日につけた取引時間中の安値です。この時につけた安値が35,247円で、節目の35,000円台前半をつけています。この安値を割り込まずに下げ止まり、下向きの5日移動平均線を上回ることができるかが注目ポイントになりそうです。
仮に9月9日の安値を割り込まずに下げ止まり、5日移動平均線上を回復して維持するようなら、再び200日移動平均線に接近することが視野に入ります。その反面、9日の安値を割り込んで戻せなくなるようなら、安値を探る展開になることが考えられます。なぜなら、8月5日に安値をつけた後の反発局面では一本調子で反発しており、下げ止まりの節目になる水準が見当たらないからです。
0ラインを割り込んだモメンタム、低下が続いた場合は要注意
上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムを見ると、モメンタムとその移動平均線であるシグナルの両方が、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインをついに下回って低下しているのが分かります。
前回のコラムで「2本線の低下が続くとともに、0ラインを下回って戻せなくなるようなら、200日移動平均線辺りまで下落したり、下回ったりすることが視野に入ってきます。モメンタムの低下が続くあいだ、株価水準が切り上がっていても注意しておきたいところです」と解説しましたが、残念ながら解説した通りの展開となっています。モメンタムの向きや水準を確認して売買判断に役立てることが、いかに重要かが分かります。
こうした状況から、2本線の低下が続くかが注目されます。仮に2本線の低下が続くようなら下向きの5日移動平均線を上回ることができないばかりか、下落の勢いが強まることになり、安値模索の展開が続くことが考えられます。買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に要注意です。
一方で、2本線が上向きに変化して0ラインに接近したり、上回ったりするようなら、5日移動平均線を上回って200日移動平均線辺りまで反発することが視野に入ると思われます。9月13日にはメジャーSQとなっていますので、SQ前後に下げ止まって反発につながるのか、あるいは下落が続くのか、要注目の週になりそうです。