【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 40,936.93  ▼626.15 (9/3)
NASDAQ: 17,136.30  ▼577.33 (9/3)

1.概況

米国市場は半導体株を中心にハイテク株に利益確定売りが出たことや、製造業の景況感が市場予想を下回ったことも相場の重石となり大幅反落となりました。73ドル安でスタートしたダウ平均は朝方に510ドル安まで下落した後一旦下げ渋りましたが、大きく戻すことなく軟調に推移すると取引終盤に一段安となり一時は784ドル安まで下げ幅を広げました。その後は引けにかけてやや持ち直しましたが、上値は重く結局626ドル安の40,936ドルで取引を終え3日ぶりに反落となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も577ポイント安の17,136ポイントと反落となり、3%を超える下落となっています。

2.経済指標等

8月の米ISM製造業景況感指数47.2と前月から上昇しましたが市場予想を下回りました。7月の米建設支出も前月比0.3%減となり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち生活必需品と不動産を除く9業種が下げました。そのなかでも情報技術が4%を超える下落となったほか、エネルギーとコミュニケーション・サービス、素材、資本財・サービスも2%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中24銘柄が下げました。そのなかでもインテル[INTC]が9%近く下落したほか、ボーイング[BA]も投資判断と目標株価の引き下げを受けて7%以上下げました。ゴールドマン・サックス[GS]とキャタピラー[CAT]も4%を超える下落となり、ダウ[DOW]も3%余り下げています。一方でベライゾン・コミュニケーションズ[VZ]やプロクター・アンド・ギャンブル[PG]などの6銘柄が上げ、ベライゾン・コミュニケーションズは2%を超える上昇となっています。

ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株の下げが目立ち、半導体株ではエヌビディア[NVDA]が9%を超える下落となり、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とマイクロン・テクノロジー[MU]も8%近く下げました。クアルコム[QCOM]も7%近く下落し、ブロードコム[AVGO]とテキサス・インストゥルメンツ[TXN]も6%前後の下げとなっています。半導体製造装置株ではKLA[KLAC]が9%を上回る下落となり、アプライド・マテリアルズ[AMAT]も7%安となりました。ラム・リサーチ[LRCX]も6%を超える下落となっています。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も7%近く下げています。さらに主力ハイテク株も安く、なかでもグーグルの持ち株会社であるアルファベット[GOOGL]とネットフリックス[NFLX]が3%以上下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.07%低い3.83%となりました。ドル円は円高に振れ145円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株安と円高を受けて大きく下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均は節目の38,000円を割り込み下げ幅を広げる展開となりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)