米ドル/円は再反落の見通し 週間予想レンジ:142.00~148.00

先週(8月26日週)は切り返し、スピード調整の範疇

先週の米ドル/円は切り返し、146円前半を一旦打診した。143円前半からの反発であったが、8月高値の149.40円を突破できない限り、同高値を起点とした下落波動が継続し、切り返しがあったがスピード調整と想定される。

今週(9月2日週)の米ドル/円はレンジ変動を図っても頭重いか

国際投機筋の総計では円買いに転換し、また日米金利政策の相違に鑑み、市場参加者の多くは米ドルをロングする立場を継続できないだろう。米ドル全体(ドル指数)は2023年末の安値をトライしたばかりであり、同じく途中の速度調整があっても米ドル安の流れが続くのではないか。147円~148円台の抵抗がしっかり存在するとみる。

テクニカル視点:ベアトレンドにおける戻りの限界を再確認

米ドル/円は、7月11日の大陰線からほぼ一貫して急落してきた。8月5日は一旦146円前半まで下落し、明らかに「売られすぎ」だったことから8月15日には149円台への戻りがあった。前述のように、途中の調整として当然視される。

そして8月15日と16日は「インサイド」を形成し、その後下放れしたことから、ベアトレンドへの復帰と判断。同視点を目先修正する要因はなく、8月高値の更新がない状況の中、途中の戻りがあっても、出遅れているドルショート筋(円ロング筋)にとっては参入好機の可能性も。多少横這いの変動があった場合も、トレンドの方向性としてあくまで下方向なので、戻りの先行があっても上値は限定されるだろう。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円は保ち合いの延長か 週間予想レンジ:96.00~100.00

先週(8月26日週)は保ち合いを一段延長させた

先週の豪ドル/円は保ち合いの状況を深めた。引き続き、米ドル/円と豪ドル/米ドルの値動きに挟まれ、値幅限定であった。また、陽線で大引けし、やや強含みの様子を示した。

今週(9月2日週)は保ち合いを継承、レンジの拡大も

先々週(8月19週)に豪ドル/円の切り返しは、一旦99の節目を打診した。先週の保ち合いは想定より強含みの展開となり、目先も99円台を回復。100の大台への打診があってもおかしくないだろう。しかし、頭の重い構造自体が修正されず、100の大台を大きく上回る可能性は低い。

テクニカル視点:保ちあいの拡大でレンジも拡大

豪ドル/円は、7月高値からほぼ一本調子の暴落となり、8月5日の安値まで実に20円近い値幅となった。円売りバブルの崩壊とは言え、暴落自体が明らかに行き過ぎであったため、スピード調整的な切り返しが目先でも続いているとみる。

一方、切り返しを過大評価すべきではないだろう。99の節目から一旦100の大台への打診があっても、節目であっただけに、頭の重い構造を再確認するのではないか。米ドル/円と違って、途中の調整(切り返し)がなお継続されているが、100円台を大きく離れてさらなる高値をトライするには、ブル基調への転換が必要だが、ハードルが大きいと考えられる。今週一旦高値打診がある場合、むしろ戻りの限界を確認するタイミングとなるのではないか。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成