東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は続伸となりました。67円安の38,221円で寄り付いた日経平均は直後にプラスに転じましたが、49円高の38,338円で伸び悩むとマイナスとなり9時20分過ぎに147円安の38,141円まで下落し、89円安の38,199円で前場を終えました。
107円安の38,181円でスタートした後場の日経平均は13時30分頃にプラスに転じると13時50分過ぎに76円高の38,365円まで上昇しました。その後伸び悩むと小幅にマイナスに転じる場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し大引け間際に111円高の38,399円まで上昇し結局83円高の38,371円で取引を終えています。
一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ソニーグループ(6758)が一時2.7%高となりました。9月2日から国内で家庭用ゲーム機「プレイステーション(PS)5」を値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。
トヨタ(7203)も一時4.2%高となりました。7月24日から8月26日まで実施の自社株公開買い付け(TOB)で、応募株数が買い付け予定数を上回り残存株式が発生したことから、追加の自社株取得を期待した買いが優勢となりました。
建物設備のメンテナンスを手掛ける日本空調サービス(4658)も一時10.3%高となりました。創業60周年記念として株主優待を実施すると発表したことを好感した買いが入りました。
精密モーターを手掛ける山洋電気(6516)も一時11.2%高となり年初来高値を更新しました。物言う株主(アクティビスト)として知られるストラテジックキャピタルが、山洋電気を5%超保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書により明らかになったことで大幅高となりました。
また、目標株価の引き上げを受けて楽天グループ(4755)やアシックス(7936)が高く、楽天グループが一時10.6%高となり年初来高値を更新したほか、アシックスも一時4.8%高となっています。
一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時4.0%安となりました。セブン&アイ・ホールディングスが外国為替及び外国貿易法で最も規制が厳しい「コア業種」分類への格上げを申請したと伝わったことで、カナダのコンビニエンスストア大手のアリマンタシォン・クシュタールによる買収へのハードルが上がったとの見方から大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は83円高となりました。しかし、米エヌビディア[NVDA]の決算発表を控えていることから様子見ムードが強く、前場は概ねマイナス圏で推移するなど方向感に欠ける展開となりました。そのエヌビディアの決算発表は今晩の米国市場の取引終了後(日本時間の29日早朝)に行われる予定です。
前年同期比で2倍程度の伸びが期待されている5-7月期の売上げや利益の結果に加え、設計上の問題で出荷が遅れると伝わっている次世代の人工知能(AI)半導体「ブラックウェル」の進捗状況などが注目を集めそうで、上昇相場をけん引してきた銘柄だけに内容次第ではマーケット全体のセンチメントを大きく左右することもありそうです。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)