東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反落となりました。207円安の38,156円で寄り付いた日経平均は直後に159円安の38,204円を付けた後下げ幅を広げると9時30分過ぎに538円安の37,825円まで下落しました。しかし、その後やや持ち直すと419円安の37,944円で前場を終えました。
407円安の37,957円でスタートした後場の日経平均はさらに下げ幅を縮めると結局254円安の38,110円と後場の高値で取引を終えています。
一方で新興市場は高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
住友林業(1911)一時5.5%高となりました。7月の米新築住宅販売件数が年率換算で前月比10.6%増の73万9000戸となったことで、米国で住宅建設事業を手掛ける住友林業に物色の矛先が向かいました。
しまむら(8227)も一時3.9%高となりました。アウター衣料や服飾雑貨、肌着などの実用商品の販売が好調だったことなどから8月の既存店売上高が前年同月比で5.5%増となったことから買いが優勢となりました。
三井E&S(7003)も7.6%高となりました。世界で中国製品のシェアが高まるなか、安全保障上の懸念が出ているため日本の港湾用クレーン産業に注目が集まっていると伝わったことで、港湾用クレーン国内最大手の三井E&Sが大幅高となりました。
143円台まで円高が進むなか、円高メリットでニトリホールディングス(9843)や「業務スーパー」を展開する神戸物産(3038)も買われました。ニトリホールディングスが一時4.0%高となったほか、神戸物産も一時5.1%高となり年初来高値を更新しています。
また、東証スタンダード市場ではワークマン(7564)も円高で海外からの商品の仕入れコストが減るとの期待から一時4.3%高となり年初来高値を更新しています。
一方で円高を受けて自動車株が安く、トヨタ(7203)とホンダ(7267)が一時4.0%安、日産(7201)が一時5.5%安、マツダ(7261)が一時4.8%安、SUBARU(7270)も一時4.2%安となりました。
ヤマハ発動機(7272)も一時6.0%安となりました。トヨタやヤマハ(7951)、MS&ADインシュアランスグループホールディングス(8725)傘下の三井住友海上火災保険がヤマハ発動機株を売却すると発表したことで大幅安となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は254円安となりました。経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」での講演でパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が9月会合での利下げをほぼ明言したことで先週末の米国市場は大幅反発となりましたが、その一方でパウエルFRB議長の発言を受けて143円台まで円高が進んだことから売りが優勢となり、節目の38,000円を割り込む場面もありました。
しかし、節目の38,000円を下回ったところで押し目買いが入り下げ渋ると、ドル円が144円台を付けやや円安方向に振れたこともあり38,000円を上回って取引を終えました。
そのため38,000円を割り込んだところでの底堅さが意識されそうですが、38,000円を超えてくると戻り待ちの売りが出やすいことから38,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。
なお、日本時間の21時30分には7月の米耐久財受注額が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)