東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は大幅反発となりました。459円高の37,847円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで349円高の37,738円まで上げ幅を縮めましたが、そこから切り返すと11時10分過ぎに704円高の38,092円まで上昇し、627円高の38,015円で前場を終えました。

790円高の38,179円でスタートした後場の日経平均は一段高となり12時40分過ぎに847円高の38,236円まで上昇したが、その後伸び悩むと結局674円高の38,062円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

セコム(9735)が一時6.5%高となりました。法人向けの機械警備サービスの月額料金を11月から一律8%値上げすると発表したことで収益の改善を期待した買いが入りました。

セキュリティー機器などを手がけるあいホールディングス(3076)も一時15.8%高となり年初来高値を更新しました。前期に岩崎通信機(6704)を持ち分法適用会社にしたのに伴い、負ののれん相当額を持ち分法による投資利益として営業外収益に計上したことにより2024年6月期の経常利益が前期比で88.7%増となったことや、2025年6月期の経常利益も前期比で7.4%増となる見通しを示したことで買いを集めました。

ホタテの水産加工などを手掛けるヨシムラ・フード・ホールディングス(2884)も一時8.9%高となりました。2023年8月に中国が日本産水産物の輸入を禁じたことで急落したホタテの価格が、国内の応援消費や中国以外の輸出先開拓によって値上がりしていると伝わたことで大幅高となりました。

また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて大阪瓦斯(9532)や東邦瓦斯(9533)が高く、大阪瓦斯が一時4.7%高となり、東邦瓦斯も一時6.3%高となりました。

一方でセブン&アイ・ホールディングス(3382)が一時12.4%安となりました。昨日はカナダのコンビニエンスストア大手のアリマンタシォン・クシュタールから買収提案を受けていると伝わったことでストップ高となりましたが、買収成立に対する不透明感があるなかで利益確定の売りが出て大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は674円高となりました。朝方には節目の38,000円を前に伸び悩む場面もありましたが、米国株高に加えて、ドル円が円安方向に振れたことで38,000円を超えて上げ幅を広げ一時は850円近く上昇する場面もありました。

しかし、買い一巡後に伸び悩むと引けにかけて上げ幅をやや縮めました。そのため戻り待ちの売りが出やすいなかで38,000円で下値を固めることができるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)