戦略17分野の一つ、海外売上高20兆円を目指すコンテンツ産業

2025年夏ごろにはゲームやアニメなどのコンテンツ関連株が、トランプ関税の影響を受けにくいセクターであることや、クールジャパン構想に沿うなどとして株価が上昇したものの、その後は半導体やAI関連株人気に押され、物色の圏外に置かれてきた。

一方、ここにきて、高市政権が掲げる「骨太の方針」にアニメやゲームなどへの投資促進が盛り込まれたことで、再び注目を集めつつある。訪日客が日本のアニメやゲームに触れ、帰国後も購入するケースや、海外の配信でも日本のコンテンツは人気がある。関連銘柄には業績が好調な企業が多いことも追い風になっている。

日本政府はコンテンツ産業を重視し、高市政権の戦略17分野の一つと位置付けている。2033年に海外売上高20兆円と現行の3倍強にする目標を掲げている。支援額は、2025年度補正予算と2026年度予算で合計589億円とし、海外展開を見据えた作品制作費の補助上限も7.5倍に引き上げている。

映像配信を通じて海外ファンを獲得、着実に拡大を続ける日本のエンタメ市場

市場規模は着実に拡大している。しかも、米国をはじめとする海外でのマーケットが伸びていることが特長だ。

日本動画協会の「アニメ産業リポート」によると、2024年のアニメ産業市場は前年比14.8%増の3兆8407億円となり、連続で過去最高を更新している。2023年から国内・国外の市場規模が逆転。2020年からのコロナ禍の巣ごもり需要で日本の市場も拡大したが、日本のアニメが海外映像配信サービスを通じて注目を集めるようになり、その後も成長を続けている。2024年の日本アニメ海外市場は同26.0%増の2兆1702億円となった。

経済産業省によると、世界のコンテンツ市場は2023年時点で199.9兆円。内訳をみると最大が米国の84.0兆円で、それに中国の42.5兆円、欧州34.1兆円と続く。米国と中国は規模が大きいだけでなく、成長も著しいとしている。一方、文化的に近いASEAN、韓国、台湾のほか、インドの成長も見込まれると分析している。越境取引はIP(知的財産)を中心とするビジネスモデルが中心で、この活用が今後もポイントだ。

『ちいかわ』大ヒットや新作ゲームで業績好調!注目のコンテンツ関連銘柄

東宝(9602)

同社は映画配給、興行収入で国内ダントツの首位。近年はアニメにも注力している。夏休みシーズンに入り人気アニメ『ちいかわ』初の映画作品である『映画ちいかわ 人魚の島のひみつ』が7月24日に公開され、大ヒットとなっている。公開3日間で観客動員数150万人、興行収入22.4億円を突破したと報じられている。

【図表1】東宝(9602):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年8月6日時点)

カプコン(9697)

家庭用ゲームソフト大手。『モンスターハンター』、『バイオハザード』など人気シリーズ多数。2027年3月期の第1四半期決算は営業利益410億5400万円(同67%増)と快走。完全新規IP『プラグマタ』(新感覚SFアクションゲーム)が発売直後から人気を博し、全世界での販売本数は250万本を突破。バイオハザードシリーズの最新作もグローバルに堅調だった。

【図表2】カプコン(9697):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年8月6日時点)

コナミグループ(9766)

家庭用・スマホ向けゲームが主力。ゲーム施設やカジノ向け事業などにも展開。2027年3月期の第1四半期決算は事業利益が前年同期比62%増の446億9900万円と好調。ワールドカップ開催を追い風に『eFootball』が伸びた。家庭用ゲームでは『パワフルプロ野球』を発売。

【図表3】コナミグループ(9766):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年8月6日時点)

サンリオ(8136)

「ハローキティ」に代表される自社キャラクター商品の企画・販売を手掛ける。海外からのライセンス収入が柱。テーマパーク「サンリオピューロランド」も運営。訪日客にも人気。発売前にキャラクターの人気投票を実施。ヒットの確率を上げる手法で、キティに頼らないビジネスモデルを確立。米国、アジア、欧州など海外ライセンス事業が拡大し2027年3月期は6期連続の営業最高益へ。初の自社ゲーム『サンリオ パーティランド』を2026年秋にグローバルで発売予定。

【図表4】サンリオ(8136):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年8月6日時点)

ソニーグループ(6758)

2025年に大ヒットとなった映画として、アニメでは『劇場版「鬼滅の刃」無限城編』、実写では『国宝』が挙げられる。配給しているのは東宝だが、『無限城編』の製作は、ソニー傘下でアニメを軸に幅広いビジネスを手掛けるアニプレックスが担っている。『国宝』はアニプレックスと、同社が実写映像の可能性を広げるために設立したミリアゴンスタジオが製作幹事を務めている。さらに、国内外向けにアニメの配信を手掛けているクランチロールもソニーの傘下企業だ。有料会員数1700万人超を誇り、200ヶ国以上の国と地域でサービスを提供している。

【図表5】ソニーグループ(6758):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年8月6日時点)

任天堂(7974)

ゲーム機のハード、ソフトとも世界大手。ポケットモンスター・シリーズやスーパーマリオ・ブラザーズなどの人気キャラクターを抱え、IP(知的財産)を活用し売上高を伸ばしている。アニメやグッズを通じて世界での知名度も圧倒的。ゲーム機「Nintendo Switch 2」は半導体価格の高騰に値上げで対応。2027年3月期はポケモン関連などソフト販売が伸びる。

【図表6】任天堂(7974):週足チャート(移動平均線 緑色:13週、橙色:26週)
出所:マネックス証券ウェブサイト(2026年8月6日時点)