米ドル/円は戻り切れない見通し 週間予想レンジ:144.00~149.00
先週(8月12日週)は切り返し、速度調整を果たした
先週の米ドル/円は途中スピード調整をしながら続伸した。一時149円前半まで上昇し、7月高値を起点とした下落幅の38.2%まで戻る位置が一旦回復された格好だった。
今週(8月19日週)の米ドル/円は再度頭打ち、弱含みの展開か
7月31日の日銀の利上げ以降、国際投機筋による円の買戻しが加速し、8月5日の日経平均株価の歴史的な急落と共に、円売りポジションの決済が進んでいたと思われる。最近の状況としては、国際投機筋の総計として円買いに傾いており、米ドルの頭が重く、戻りに限界がある見通しだ。
テクニカル視点:大暴落の「後遺症」が新たな段階へ
米ドル/円は、7月11日の大陰線からほぼ一貫して急落してきた。8月5日は一旦146円前半まで下落、明らかに「売られすぎ」であった。一方通行の相場だった上、米ドルの買い戻しも想定された通りで、自然な成り行きであった。
8月5日、6日は「インサイド」を形成。一旦底打ちのサインを点灯したからこそ、先週の149円台前半の打診に繋がった。しかし、大暴落の「後遺症」が消え去ったのではなく、むしろこれから効いてくる可能性がある。言い換えれば、大暴落があったからこそ、途中のスピード調整(切り返し)が短命に終わる可能性が大きく、今週は米ドルの頭が重く、再度反落してくる公算が大きい。場合によっては、8月15日、16日で形成した「インサイド」のサインは、このまま下放れになる可能性もあるだろう。
豪ドル/円は米ドル/円次第、戻り切れないか 週間予想レンジ:94.50~99.80
先週(8月12日週)は切り返しを継続
先週の豪ドル/円は続伸し、週足では陽線を形成。先々週(8月5日週)の「スパイクロー」のサインを踏襲し、大暴落後の戻りを果たした。とは言え、あくまで途中の速度調整に過ぎなかった。
今週(8月19日週)は米ドル/円次第だが、再反落を覚悟
豪ドル/円の切り返しが想定より早かった。7月高値を起点とした下落幅に対して、半分戻りの位置は100の節目手前となるが、先週は一旦99の節目まで迫った。しかし、あくまで米ドル/円次第のため、切り返し自体の出尽くしが想定され、今週は頭の重い展開となる可能性も。
テクニカル視点:切り返しが強くても、トレンド修正には至らず
豪ドル/円は、7月高値からほぼ一本調子の暴落となり、8月5日安値まで実に20円近い値幅となった。円売りバブルの崩壊とはいえ、暴落自体が明らかに行き過ぎであった。ゆえに、先々週(8月5日週)からの切り返し自体も「正当化」でき、下落幅の半分戻しがあっても許容範囲内だった。
半面、切り返しを過大評価すべきではないだろう。豪ドル/円の動向は、米ドル/円次第の側面が強く、米ドル/円と同様、切り返しはあくまで途中の速度調整であり、トレンドの修正には程遠い。8月5日、6日の罫線が点灯した「インサイド」のサインは、その後上放れ、途中の加速(8月13日~14日の保ち合い、また15日の上放れ)があっても99円の大台に届かなかったことから、切り返し自体の出尽くしを想定しておきたい。豪ドル/米ドルの影響を受けて、一旦高値再更新の余地があっても限定的とみる。