今週(8月2日~8月8日)の相場動向
相場回顧 BTC(ビットコイン):日経平均の歴史的な大暴落を受けて大幅下落
日経平均が急速な円高進行とともに歴史的な大暴落を記録し、世界同時株安が広がる中で、ビットコインも大きく下落した。
日銀が前回会合でサプライズの利上げを発表した後、日米金利差の縮小を意識した円高が急速に進行した。米国では、7月の米雇用統計が市場予想を下回り、景気後退懸念が強まった。イランがイスラエルに対して報復を示唆し、中東情勢悪化による地政学リスクも意識された。これらの懸念材料が複雑に重なり、8月5日の日経平均は4000円超安となる史上最大の下落幅を記録した。これを受けて、世界同時株安が広がり、ビットコインも暴落して一時BTC=735万円(50,000ドル)を割り込んだ。
その後、ドル円と日経平均ともに底入れが意識されて急反発し、ビットコインも同様にBTC=808万円(55,000ド)まで急回復した。日銀副総裁が早期の追加利上げの可能性を否定したことで過度な利上げ懸念が後退し、円安と株高の進行とともにBTC=838万円(57,000ドル)付近まで上昇した。しかし、米国では景気見通しの不透明感が続く中でハイテク株を中心に売りが継続し、ビットコインの上値も重くなった。
来週(8月9日~15日)の相場予想
BTC(ビットコイン)は米国景気後退懸念が意識される中でも逃避資産として買われると予想
金融市場では、日銀の利上げ決定をきっかけに日経平均を中心とする世界同時株安が拡大し、動揺が広がっている。日銀によるハト派寄りの発言を受けて急激な円高進行および日本株安は一服したが、米国の景気後退懸念や中東情勢悪化のリスクが残る中、ブラックマンデーの時のようにしばらくはボラタイルな相場が続くと予想する。
来週は米国で7月の小売売上高の発表があり、消費の減速が示唆された場合にはさらに売りが強まることが考えられる。これまでは米国における利下げ観測が市場に対しポジティブに働いてきたが、米国金利の低下によって再び円高が進行し、日本株の売りに伴って世界的なリスクオフが再燃する可能性には警戒したい。
一方で、ビットコインに限っては、逃避資産としての見方から、米国の景気後退懸念や中東リスクが強く意識される中でも相応に買われるだろう。新型コロナウイルスが発生した時と同様に、国や企業の影響を受けづらい資産として注目を集め、ビットコインが金と並んで株式よりも早く価格を戻すことは考えられる。
直近、上値としてBTC=955万円(65,000ドル)、下値としてBTC=808万円(55,000ドル)を意識する。