米ドル/円は一転「売られすぎ」に 週間予想レンジ:144~150.00

先週(7月29日週)は大幅続落し、相場は混乱

先週の米ドル/円は大きく続落。8月2日には一時146.41円まで下落し、3月の安値を割り込む寸前だった。円キャリートレードの崩壊はもちろん、相場は混乱し、米ドル売り一辺倒の市況だった。

今週(8月5日週)の米ドル/円は「売られすぎ」をやや修正か

日銀の利上げ以降、国際投機筋による円の買戻しが加速し、円高が進行し、日経平均株価の急落した。また、8月2日に発表された米雇用統計の芳しくない結果から米金利が急低下し、ドル売りが殺到した。今週は急落後の下げ止まりとともに、リバウンド先行の動きも想定できるが、大暴落の後だけに、リバウンドがあっても限定的と予想する。

テクニカル視点:大暴落の「後遺症」が鮮明化

米ドル/円は、7月11日の大陰線からほぼ一貫して急落してきた。途中の切り返しは、あえて挙げるなら7月18日ぐらいしか見えなかった上、7月30日が示した「弱気リバーサル」がその後の大幅続落をもたらし、一方通行の相場となった。これは円売り筋の総撤退を示唆しており、ほぼ一掃されたのではないか。

半面、3月どころか2月の安値を割り込む値動きが確実視される分、いわゆる大暴落後の「後遺症」が鮮明化してくるだろう。言ってみれば、テクニカル上の節目をすべて破り、「スピード違反」の下落に歯止めが効かないことが懸念される。その分、一旦下げ止まりとなると、今度は押し目買いのニーズが少なく、テクニカル上、異常な「売られすぎ」でも大した反発はなく、あくまで安値圏での保ち合いに留まる、といった市況が想定される。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円は歴史的な大暴落、当面修復なしか 週間予想レンジ:92.00~96.00

先週(7月29日週)は歴史的な大暴落

先週の豪ドル/円は先々週に続き、週足では再度長大線を形成し、大暴落となった。一気に2023年12月の安値に迫り、強気変動の構造を「破壊」したと言える。ゆえに、当面「修復」は難しいだろう。

今週(8月5日週)は強くても安値圏での保ち合いに留まる

豪ドル/円は、7月30日に一時101.80円まで反発し、下げ止まりの様子を示したが、その後安値を再更新。そこからさらに6円以上急落し、テクニカルの節目が全く効かない「パニック相場」の様相を呈した。

テクニカル視点:「底割れ」のため、大した反発なしか

7月22日週に続き、7月29日週も大幅暴落した豪ドル/円は下値目途を図れず、あえて言うなら2023年12月安値の93.77円前後か。円ショート筋の総撤退が推測されるものの、「自由落下」してきた分、支持ゾーンの存在を安易に推測はできない。

豪ドル/円は、現状においてテクニカル上の視点では測るのが難しい状況だ。急落が続いてきたわけなので、下げ止まり、あるいは自律反発程度の持ち直しが推測される。しかし、過大な期待は禁物であり、押し目買いのスタンスは適切とは言えないだろう。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成