東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は3日続落となりました。160円安の39,965円で寄り付いた日経平均は取引開始から5分余りで301円安の39,824円まで下落した後持ち直すとプラスに転じ10時10分前に86円高の40,212円まで上昇しました。しかし、伸び悩むとマイナスとなり173円安の39,952円で前場を終えました。

187円安の39,939円でスタートした後場の日経平均は直後に253円安の39,873円を付けた後下げ幅を縮めると14時40分過ぎに7円安の40,118円まで持ち直しましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局62円安の40,063円で取引を終えました。

こうしたなか新興市場も安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

住友林業(1911)が4.0%高となり上場来高値を更新しました。昨日の米国市場で市場予想を上回る決算を発表した住宅大手のDRホートン[DHI]が大幅高となったことから、米国で住宅事業を展開する住友林業に連想買いが入りました。

江崎グリコ(2206)も一時6.0%高となりました。アクティビスト(物言う株主)として知られる米投資ファンドのダルトン・インベストメンツが江崎グリコ株を5%超保有していることが関東財務局に提出した大量保有報告書により明らかとなったことで大幅高となりました。

求人情報サイトを運営するエン・ジャパン(4849)も一時2.6%高となりました。タイミー(215A※7月26日上場予定)の上場に伴う保有株の売り出しで特別利益を計上することになり57億8900万円とみていた通期の純利益の見通しを93億3000万円に上方修正したことから買いが優勢となりました。

また、目標株価の引き上げを受けてセントラル硝子(4044)や良品計画(7453)が高く、セントラル硝子が一時3.0%高となり年初来高値を更新したほか、良品計画も一時5.9%高となりました。

さらに昨日の米国市場で主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が反発したことから半導体関連銘柄の一角に買い戻しが入りました。東京エレクトロン(8035)が一時3.1%高、アドバンテスト(6857)も一時2.8%高となりました。

しかし、第1四半期決算を発表したディスコ(6146)は一時5.7%安となりました。半導体製造装置の出荷が高水準で推移するとみられることなどにより上期の営業利益が前年同期比で46.6%増となる見通しを示しましたが、市場予想に届かなかったことから売りが優勢となりました。

ステーキチェーンのブロンコビリー(3091)も一時7.9%安となりました。既存店売上高が好調に推移したことに加え、コストコントロールの実施により通期の営業利益の見通しを19億5000万円から22億7000万円に上方修正しましたが、市場予想に届かなかったことで大幅安となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は62円安となりました。幅広い銘柄に利益確定の売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから続落となりました。

一時300円以上下げる場面もありましたが、40,000円の大台を割り込んだところで押し目買いが入り下げ渋ると25日移動平均線(40,002円)を上回って取引を終えました。そのため底堅さが意識されそうで、週明けに切り返すような展開となれば調整一巡への期待も出てきそうです。

なお、19日の米国ではアメリカン・エキスプレス[AXP]などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)