今週(7月5日~7月11日)の相場動向

相場回顧 BTC:現物ETFへの資金流入が強まり底堅く推移

ビットコインは、特定機関による大口売却への懸念から下落したが、米国の現物ETFへの資金流入が強まり底堅く推移した。

ドイツ政府やマウントゴックス債権者による売り圧力が警戒され、一時BTC=872万円(54,000ドル)付近まで大きく下落した。しかし、6月米雇用統計が利下げ観測を高める内容になり、ナスダックとS&Pの史上最高値更新が続く中で買い戻しが強まった。

ドイツ政府による売却継続が報じられ、再び下落する場面はみられたが、米国の共和党が政策文書の中で暗号資産を支持する姿勢を正式に示し、トランプ共和党大統領候補によって暗号資産に対する方針が見直されるとの期待により反発した。また、パウエルFRB議長の議会証言では時期の明言を避けながらも利下げ方針が維持されたことにより、米国株とともにビットコインは堅調に推移した。数億ドル規模の現物ETFへの資金流入もあり、BTC=953万円(59,000ドル)付近まで価格を伸ばした。

その後、6月米消費者物価指数ではインフレ鈍化を示唆する内容となったが、大型株の売りに伴ってナスダックが急落したこともあり、上値の重い展開となった。ブラックロックらがイーサリアム現物ETFの申請書を修正する動きもあったが相場の反応は限定的だった。

 

来週(7月12日~7月18日)の相場予想

BTCはETH現物ETFの動向次第で買い戻し優勢を予想、トランプ共和党大統領候補の発言にも注目

米国の利下げ観測が高まる中、米国株の強い値動きが続いている。これを受けてビットコインの現物ETFへの資金流入が勢いを増しており、米国株との正相関の傾向が戻りつつある。ドイツ政府等による売却が継続し上値を抑えられる可能性はあるが、米国株が続伸した場合はビットコインも同様に買いが入るだろう。

マウントゴックスの弁済開始後、債権者による目立った売りは確認されておらず、相場への影響は限定的と予想する。また、中小マイナーの撤退に伴う売りも次第に落ち着き、ハッシュレートの回復とともに相場は底打ちするだろう。

米国では、ブラックロックらがイーサリアム現物ETFのS-1フォームに修正を加える中で、来週にも取引が始まるのではないかと予想されている。正式に上場した場合は相場を押し上げる可能性がある一方で、先延ばしになれば材料乏しくもみ合いの展開が続くと思われる。

その他、来週は米国共和党大会が開催される。党として暗号資産を支持する姿勢を正式に表明し、トランプ共和党大統領候補がどのような発言をするのかが注目される。

直近、上値としてBTC=969万円(60,000ドル)、下値としてはBTC=888万円(55,000ドル)を意識する。