モトリーフール米国本社、 2024年7月9日投稿記事より

保有銘柄報告と決算で分かること

ウォーレン・バフェット氏が1960年代半ばにバークシャー・ハサウェイ[BRK.B]のCEOに就任して以来、同社のクラスA株は500万パーセント近いパフォーマンスを実現しています。同社の年次株主総会には約4万人の株主が集まり、経済、株式、投資哲学について語るバフェット氏に注目します。

しかし、ウォール街で最も注目され、最も成功している投資家がどの銘柄に関心を寄せているのかを知るのに、年次株主総会を待つ必要はありません。

米証券取引委員会(SEC)に四半期ごとに提出されるフォーム13F(保有銘柄の報告書)を見れば、バフェット氏がどの銘柄を購入/売却したのか知ることができます。そしてバークシャー・ハサウェイの四半期決算と重ね合わせることで、同社が投資し続けている企業が明らかになります。

バークシャー・ハサウェイが提出したフォーム13Fと発表された四半期決算に基づくと、バフェット氏は長年にわたって、ある2つの銘柄に定期的に投資し続けていることが分かります。

オクシデンタル・ペトロリアム[OXY]は油価上昇の恩恵を目的に投資

現在、バークシャー・ハサウェイの投資ポートフォリオには44の銘柄が含まれ、合計価値は4030億ドルに上ります。この中で、2022年以降、四半期毎ではないものの定期的な投資対象となっているのが、石油大手オクシデンタル・ペトロリアム[OXY]です。

バークシャー・ハサウェイはオクシデンタル・ペトロリアムの発行済み株式の10%超を保有しているため、追加購入するたびにSECにフォーム4(実質的所有権の変更に関する届出書)の提出が義務付けられています。

直近では6月17日、バフェット氏と、同氏の投資マネジャーであるトッド・コムズ氏とテッド・ウェシュラー氏は、オクシデンタル・ペトロリアム株を追加購入し、保有株数は2億5528万1524株となりました。これはオクシデンタル・ペトロリアムに対する持分ほぼ29%に相当します。バークシャー・ハサウェイは30ヶ月の間に大量の持分を積み上げたことになります。

バフェット氏がこの「永久」保有銘柄を楽観視する主な理由は、マクロ面の環境にあると思われます。

コロナ禍の間、世界のエネルギー企業は、石油および天然ガス需要についての、過去に例を見ない不確実性に直面し、設備投資の大幅な削減を余儀なくされました。設備投資は通常のレベルに戻りつつありますが、3年間にわたる最小限の設備投資が世界の原油サプライチェーンに及ぼした制約が解消されるには何年もかかると思われます。こうした供給逼迫は、原油のスポット価格にプラスにはたらくと予想されます。

原油スポット価格の上昇は、オクシデンタル・ペトロリアムにとって特に重要です。同社は川下の化学プラントも運営する総合エネルギー企業ですが、売上高と営業利益の大部分は、利益率の高い掘削事業からもたらされます。他の総合石油・ガス会社と比較すると、オクシデンタル・ペトロリアムは原油スポット価格の変動にはるかに敏感です。マクロ要因が引き続き同社に有利に推移すれば、オクシデンタル・ペトロリアムの営業キャッシュフローは極めて大きな恩恵を受けるとみられます。

ワラントも保有

オクシデンタル・ペトロリアムに有利なマクロ的・循環的環境に加え、バフェット氏らは、バークシャー・ハサウェイが保有するオクシデンタル・ペトロリアムの普通株8380万株超を購入できるワラント(新株引受権)にも注目しているとみられます。これらのワラントは、2019年にバークシャー・ハサウェイが、オクシデンタル・ペトロリアムによるアナダルコの買収を支援するために、100億ドルを出資した時に取得したものです。

バークシャー・ハサウェイが保有するオクシデンタル・ペトロリアムのワラントの行使価格は、1株当たり59.624ドルです。8385万8848株のワラントを行使して利益を得るためには、これは何としても死守したい価格でしょう。

23四半期連続で投資、バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]

2018年夏から直近(2024年第1四半期)まで、バフェット氏らが23四半期にわたって欠かさず投資している銘柄があります。フォーム13Fに記載されていない、この「謎」の銘柄は、他ならぬバークシャー・ハサウェイです。

2018年7月中旬以前、バークシャー・ハサウェイには厳格な自社株買いのルールがありました。具体的には、自社株買いは株価が直近の四半期報告に基づく1株当たり純資産(BPS)の120%以下になった場合にのみ実施できるというものでした。バークシャー・ハサウェイの株価がこの水準まで落ち込んだことは一度もなく、従って自社株買いも行われませんでした。

自社株買いルールを変更

2018年7月17日、バークシャー・ハサウェイの取締役会は自社株買いに関する基準を改定し、以下の2つの条件を満たしている限り、上限や終了日を設けずに実施することができるようになりました。

1 . バークシャー・ハサウェイのバランスシート上に300億ドル以上の現金、現金同等物、米国債があること

2. 株価が1株当たりの本源的価値と比べて割安であるとバフェット氏がみなしていること

これらの新ルールが施行されて以降、バフェット氏は23四半期にわたって総額770億ドル超を自社株買いに充てています。

自社株買いの優れた点は、長期投資のインセンティブになることです。バークシャー・ハサウェイの発行済み株式数が着実に減少する一方で、長期保有の株主の持分比率は徐々に高まっています。

純利益が安定または成長している企業であれば、発行済み株式数の減少に伴って1株当たり利益(EPS)は増加します。

バークシャー・ハサウェイのバランスシート上には、2024年3月末時点で1890億ドルに上る現金、現金同等物、米国債があるため、第2四半期も自社株買いを実施して、連続記録を24四半期に伸ばす可能性があります。

免責事項と開示事項  記事は一般的な情報提供のみを目的としたものであり、投資家に対する投資アドバイスではありません。元記事の筆者Sean Williamsは、記載されているどの企業の株式も保有していません。モトリーフール米国本社はバークシャー・ハサウェイの株式を保有し、推奨しています。モトリーフール米国本社はオクシデンタル・ペトロリアムの株式を推奨しています。モトリーフールは情報開示方針を定めています。