東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は反発となりました。99円安の38,497円で寄り付いた日経平均は直後に180円安の38,416円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に持ち直すとプラスに転じ9時50分過ぎには155円高の38,751円まで上昇しました。
その後再びマイナスとなる場面もありましたが、前引けにかけて持ち直すと11時過ぎに176円高の38,773円まで上昇し92円高の38,689円で前場を終えました。
180円高の38,776円でスタートした後場の日経平均は14時10分過ぎに309円高の38,905円まで上昇した後伸び悩むと大引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局208円高の38,804円で取引を終えています。
こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
一時160円近くまで進んだ円安を受けて自動車株が堅調でした。トヨタ(7203)が一時3.4%高となったほか、ホンダ(7267)が一時2.4%高、マツダ(7261)も一時1.9%高となりました。
本決算を発表したツルハホールディングス(3391)も一時5.9%高となりました。スクラップ・アンド・ビルドによる店舗の販売力強化や、プライベートブランド商品の拡販などにより2025年5月期の営業利益が前期比で8.7%増となる見通しを示し、市場予想を上回ったことから買いが優勢となりました。
海外用WiFiルーターレンタルサービスのビジョン(9416)も一時10.2%高となりました。売上総利益率が改善したことなどにより2024年12月期の営業利益の見通しを上方修正したことに加え、配当予想も引き上げたことから買いを集めました。
浜松ホトニクス(6965)も一時4.2%高となりました。自己株式を除く発行済株式総数の1.33%にあたる280万株、100億円を上限とした自社株買いと、将来の株式の希薄化懸念を払拭するために取得した全株式の消却を発表したことで大幅高となりました。
ソフト開発のシステナ(2317)も一時6.4%高となりました。次世代モビリティ事業が大幅な増収増益となったことなどにより5月の売上高が前年同月比で11.4%増、営業利益が46%増となったことから上げ幅を広げました。
また、日本ハム(2282)が投資判断と目標株価の引き上げを受けて一時5.8%高となり、大崎電気工業(6644)も目標株価の引き上げを受けて一時6.8%高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は208円高となりました。先週末の米国市場での半導体株安を受けて下げて始まると寄り付き直後には180円安まで下落する場面もありましたが、一目均衡表の雲の下限(38,478円)を下回ったところで下げ渋ると、一時160円近くまで進んだ円安などを支えに持ち直し一時は300円以上上げる場面もありました。
しかし、一目均衡表の雲の上限(38,910円)や75日移動平均線(38,928円)を前に伸び悩みました。そのため明日も買いが優勢となった場合には本日に回復できなかった一目均衡表の雲の上限や75日移動平均線を超えて水準を切り上げることができるかがポイントとなりそうです。
なお、今週から小売り企業を中心とした2月決算銘柄の第1四半期決算発表が徐々に本格化します。本日も引け後にはあさひ(3333)やしまむら(8227)などが決算を発表する予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)