東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は3日ぶりに反発となりました。351円高の38,841円で寄り付いた日経平均は取引開始から30分余りで521円高の39,011円まで上昇しました。しかし、朝方の買い一巡後に伸び悩むと351円高の38,841円で前場を終えました。
295円高の38,786円でスタートした後場の日経平均は13時20分過ぎに203円高の38,693円まで上げ幅を縮めた後14時20分過ぎに320円高の38,810円まで持ち直しましたが、その後伸び悩むと結局213円高の38,703円で取引を終えています。
一方で新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
主要な半導体関連銘柄で構成するフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が昨日の米国市場で大幅高となり最高値を更新したことから半導体関連株が買われました。
東京エレクトロン(8035)が一時5.1%高、アドバンテスト(6857)が一時6.1%高、SCREENホールディングス(7735)が一時3.1%高、ディスコ(6146)も一時5.0%高となりました。
第1四半期決算を発表した積水ハウス(1928)も一時6.1%高となり上場来高値を更新しました。米M.D.C.ホールディングスの完全子会社化に伴う影響や、想定為替レートを見直したことなどにより2025年1月期の営業利益の見通しを2800億円から3000億円に上方修正したことで上げ幅を広げました。
東ソー(4042)も一時4.7%高となりました。英投資ファンドのシルチェスター・インターナショナル・インベスターズが東ソーの株式を5.06%取得していたことが関東財務局に提出した大量保有報告書で明らかになったことで買いが優勢となりました。
北海道を中心にドラッグストアを運営するサツドラホールディングス(3544)も一時5.7%高となりました。インバウンド(訪日外国人)需要で想定以上に業績が堅調に推移していることなどから10億円とみていた2024年5月期の営業利益の見通しを13億5千万円に上方修正したことで大幅高となりました。
また、投資判断と目標株価の引き上げを受けて三菱倉庫(9301)やクレディセゾン(8253)が高く、三菱倉庫が一時5.4%高となり上場来高値を更新したほか、クレディセゾンも一時6.2%高となりました。
一方でアパレル大手のワールド(3612)が8.1%安となりました。コロナ5類移行後の店頭回帰に一巡感が出たことなどで5月の既存店売上高が前年同月比で1.5%減と前年割れとなったことから売りが優勢となりました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は213円高となりました。ハイテク株高を受けて昨日の米国市場でS&P500株価指数とナスダック総合株価指数が史上最高値を更新したことから買いが優勢となりました。
一時は520円以上上昇し節目の39,000円を回復する場面もありましたが、75日移動平均線(38,997円)を小幅に上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮めました。そのため75日移動平均線が上値抵抗線として改めて意識されそうです。
なお、日本時間の21時15分に欧州中央銀行(ECB)理事会の結果が発表されます。利下げが見込まれていることから結果が注目されます。また、21時30分には米新規失業保険申請件数や4月の米貿易収支、1-3月期の米労働生産性指数改定値が発表される予定です。
(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)