米ドル/円 低下の公算が大きい切り返しのモメンタム 週間予想レンジ:153.00~156.50

先週(5月13日週)は波乱の保ち合い

先週の米ドル/円は陰線を形成したものの、一旦153.60円をトライしてから155.65円で大引けし、週足では典型的な「スパイクロー」のサインを点灯、押し目買いの意欲がなお旺盛であることを示唆した。一方で、156.76円まで限定的だった上、僅かながら始値より安く大引けしたため、上値圧力を確認した格好となった。

今週(5月20日週)は引き続き頭の重い展開が続くか

先週5月15日に米ドル/円が下落したことが大きかった。5月14日まで米ドルの切り返しが継続されたものの、日足における値幅が限定的だった。5月15日の大陰線は「長大線」とみなされ、切り返し自体の終焉を示唆する存在とみている。

言ってみれば、5月5日の大陰線が否定されない限り、5月3日安値の151.86円を起点とした切り返しがすでに終焉した可能性がある。そのため、今週も引き続き頭の重い展開が続くとみている。

テクニカル視点:再度為替介入なしで天井を形成した場合、今後も頭打ちのサインに期待

「長大線」という位置付けでは、5月1日の大陰線と同様の存在とみている。米ドル円は、5月1日の大陰線をもって下放れを果たしたため、4月29日の大陰線が示したトップアウトのサインを証明した。

その場合、5月16日から再度切り返しを見せているものの、5月15日の高値156.56円の上に定着するにはハードルが高いだろう。むしろ再度頭打ちのサインを点灯させ、反落しやすい構造になるとみている。この場合、5月16日の安値153.60円割れがあれば、5月15日大陰線の意味合いを証明することとなり、一段と頭打ちの構造を強化するだろう。すぐに下値を追う展開にはならずとも、弱含みの展開になると考える。今週も戻り売りのスタンスで臨みたい。

【図表1】米ドル/円(日足)
出所:筆者作成

豪ドル/円 豪ドル対米ドルが強くても切り返しの段階、再度頭打ちへ 週間予想レンジ:102.50~105.00

先週(5月13日週)は続伸し、切り返し自体を継続

先週、豪ドル/円は週足では再度陽線で大引けし、先々週(5月6日週)とほぼ同じ値幅を達成した。5月2日からの切り返しを踏襲する形となり、モメンタムの維持を示唆した。

今週(5月20日週)は豪ドル/米ドルの影響を受けやすい

豪ドル/円は基本的に米ドル/円に連動した値動きだったが、先週の豪ドル対米ドルの強気変動を反映した米ドル/円以上の強い値動きとなり、また切り返しを拡大させてきた。

5月15日に米ドル/円が大幅反落したが、豪ドル対米ドルの強気変動を背景に、豪ドル/円の値幅が限定的だった上、先週末再度高値更新したところ、5月以来の切り返し自体が維持されていることを証明している。今週も豪ドル対米ドルの値動きに左右されるだろう。

テクニカル視点:強い切り返しの継続を警戒、一旦高値再打診も

豪ドル/円の4月29日の日足は大陰線となり、また4月24日~26日の罫線と「アウトサイド」の関係を示したため、同日高値から一転して急落した分、典型的な「弱気リバーサル&アウトサイド」のサインを点灯した。そのため、同サインが否定されない限り、豪ドルの上値余地は限定されるとみている。

従って、5月に入ってからの切り返し自体が強くても、4月高値と「ダブル・トップ」を形成していく可能性がある。言ってみれば豪ドル/米ドル次第であり、一旦高値の再更新があっても許容範囲内におさまるだろう。もっとも、5月1日の大陰線は、一旦節目の100円直前まで迫ったものの、その後の安値更新がなかった。

そのため、同日罫線を「母線」とした「インサイド」のサインは5月9日に上放れを果たし、先週の続伸をもたらしたわけだ。5月16日の「スパイクロー」のサインもあって、しばらく強含みの値動きになりやすいだろう。頭打ちの後ずれを覚悟しておきたい。

【図表2】豪ドル/円(日足)
出所:筆者作成