東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日ぶりに反落となりました。359円安の38,561円で寄り付いた日経平均は9時50分過ぎに380円安の38,539円まで下落しましたが、売り一巡後に下げ渋ると持ち直し138円安の38,782円で前場を終えました。
180円安の38,739円でスタートした後場の日経平均は12時50分前に77円安の38,842円まで持ち直しましたが、戻し切れないとやや下げ幅を広げ結局132円安の38,787円で取引を終えています。
一方でTOPIXは上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。
2.個別銘柄等
ルネサスエレクトロニクス（6723）が一時3.5％高となりました。2022年時点で全体の5％未満だったインド向けの売上高を2030年までに10-15％程度まで高める考えを示したことを好感した買いが入りました。
日本製鋼所（5631）も一時8.2％高となり年初来高値を更新しました。16日に開催された決算説明会で2025年3月期の「防衛関連機器」の受注高が前期比60％増の1130億円になりそうだと発表したことで買いを集めました。
クスリのアオキホールディングス（3549）も一時5.4％高となりました。香港のアクティビスト（物言う投資家）であるオアシス・マネジメントがクスリのアオキホールディングス株を5.5％から6.83％に買い増したことが関東財務局に提出した変更報告書により明らかとなったことで大幅高となりました。
ソースネクスト（4344）も一時6.0％高となりました。訪日客施策を後押しするサービスとして、携帯翻訳端末「ポケトーク」を貸し出し、会話内容から言語にひも付けて需要などを分析するシステムの提供を子会社のポケトークが始めると伝わったことを材料視した買いが入りました。
一方でクボタ（6326）が一時2.3％安となりました。決算を発表した農機の米ディア［DE］が通期の純利益の見通しを下方修正したことから昨日の米国市場で大幅安となった流れを受けて売りが優勢となりました。
東京エレクトロン（8035）も一時2.8％安となりました。昨日の米国市場の取引終了後に決算を発表した半導体製造装置の米アプライドマテリアルズ［AMAT］が時間外取引で下落したことから下げ幅をやや広げる場面がありました。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は132円安となりました。利益確定の売りや持ち高調整の売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから反落となりました。
一時は380円安となる場面もありましたが、節目の38,500円を前に下げ渋ると日銀が定例の国債買い入れオペ（公開市場操作）で購入予定額を前回から据え置いたこともあり下げ幅を縮めました。
そのため38,500円近辺での底堅さが意識されそうで、75日移動平均線（38,602円）を上回って取引を終えたことから地合いは大きく崩れていないといえそうです。
なお、日本時間の23時には4月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
