25日移動平均線に押し返された状態が継続中
前回のコラムでは、「25日移動平均線上を維持できずに押し返されるとともに75日移動平均線や5日移動平均線を下回って戻せなくなるようですと、再び38,000円を割り込んで4月19日につけた安値に接近したり、割り込んだりすることが考えられ注意が必要です」と解説しましたが、25日移動平均線に押し返される状態が続いています。
ただ、売り込む動きも見えず、上向きの75日移動平均線に沿った値動きが続いているのが分かります。このような値動きになると、反発が続いているのか、それとも下落に向かうのか、判断が難しいところです。
今回の緩やかな反発が、前回のコラムで解説したリターンムーブだとした場合、仮に反発が続いて25日移動平均線を突破した場合でも、3月13日終値と4月5日終値を結んだネックラインの水準を上回って維持するまではリターンムーブが続いていることになります。
また、ネックラインに届かずに反落するととともに、25日移動平均線や75日移動平均線に加え、5日移動平均線も下回るようですと、売り圧力が強まり、38,000円を割り込むことが考えられ、買いポジションを持っている投資家は損失の発生や拡大に注意が必要です。
一方で、ネックラインの水準を上回って推移するようですと、トリプルトップが打ち消され、本格的な上昇に向かうことが期待されますので、再び4万円台を目指すことが視野に入るのではないかと思われます。
モメンタムが上向きに変化、上昇が続くか
そのような中、上昇や下落の勢いを教えてくれるモメンタムはどのような方向や水準になっているのでしょうか。5月14日の終値時点では、上向きに変化して、モメンタムの移動平均線であるシグナルを上回っているのが分かります。
このようにモメンタムが0ラインを割り込みそうになった後に上向きに変化していることから、上昇の勢いが強まりつつあると考えられそうです。
そのため、モメンタムとシグナルの上昇が続いて水準を切り上げることができるかが、ネックラインを上回ってトリプルトップを打ち消すカギになると考えられます。仮に2本線の上昇が続いたり、直近の高い水準を上回ったりするようですと、25日移動平均線を上回ってネックラインの水準に接近したり、上回ったりすることが視野に入ります。
その反面、上昇しても限定的だったり、下向きに変化して、上昇と下落の勢いの判断の分かれ目となる0ラインを下回って戻せなくなったりするようですと、25日移動平均線を上回ることができないばかりか、75日移動平均線を下回って38,000円を割り込むことも考えられますので注意したいところです。
方向感の無い値動きが続いていますが、このような時こそ、方向がはっきりするまで大きなポジションを持たないようにする必要があるのではないかと思われます。