【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 39,387.76  △331.37 (5/9)
NASDAQ: 16,346.27  △43.51 (5/9)

1.概況

米国市場は米新規失業保険申請件数が悪化したことで労働市場の過熱感が薄れ、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げに動きやすくなるとの見方が強まり上昇しました。7ドル高でスタートしたダウ平均は直後にマイナスに転じましたが、67ドル安で下げ渋ると持ち直し昼前には218ドル高まで上昇しました。その後一旦伸び悩みましたが、大きく押すことなく堅調に推移すると取引終盤に再び上げ幅を広げ結局331ドル高の39,387ドルで取引を終え7日続伸となりました。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も43ポイント高の16,346ポイントと3日ぶりに反発となっています。

2.経済指標等

先週一週間の米新規失業保険申請件数は前週比2万2000件増の23万1000件となり市場予想以上に悪化しました。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術を除く10業種が上げました。そのなかでも不動産が2%を超える上昇となったほか、公益事業とエネルギー、素材が1%以上上げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄は30銘柄中25銘柄が上げました。そのなかでもホーム・デポ[HD]とキャタピラー[CAT]が2%を超える上昇となったほか、ゴールドマン・サックス[GS]も2%近く上げています。一方で5銘柄が下げ、セールスフォース[CRM]とIBM[IBM]が1%以上下落しています。ダウ平均構成銘柄以外では、決算を発表した英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]が2025年3月期通期の売上高見通しの中央値が市場予想を下回ったことから2%を超える下落となりました。また、決算を発表した民泊仲介のエアビーアンドビー[ABNB]も4-6月期の売上高見通しが市場予想を下回ったことで7%近く下げています。

5.為替・金利等

長期金利は0.03%低い4.45%となりました。ドル円は155円台半ば近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の38,500円を試すような動きをみせるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)