東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。40円高の38,242円で寄り付いた日経平均はまもなくしてマイナスに転じましたが、86円安の38,115円で下げ渋ると持ち直し189円高の38,392円で前場を終えました。

222円高の38,425円でスタートした後場の日経平均は直後に227円高の38,429円まで上昇しましたが、その後伸び悩むと14時30分前にマイナスに転じ結局128円安の38,073円と本日の安値圏で取引を終えています。

一方でTOPIXは小幅に上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

本決算を発表し市場予想を上回る見通しを発表した銘柄に大きく上げるものがみられました。オムロン(6645)は制御機器事業で高付加価値品の販売拡充に伴う採算改善や人件費の抑制効果が期待できることなどにより2025年3月期の営業利益が前期比で42.7%増となる見通しを示し、市場予想を上回ったことで一時12.5%高となりました。

ヤマハ(7951)もモデルミックスの改善や構造改革によるコストダウン効果などにより2025年3月期の営業利益が前期比で55.2%増となる見通しを示し、市場予想を上回ったことから一時11.7%高となり年初来高値を更新しました。

オリックス(8591)も新型コロナウイルス禍からの経済回復で国内事業が好調に推移すると見込まれることなどにより2025年3月期の純利益が前期比で12.7%増となる見通しを示し市場予想をわずかに上回ったことや、自己株式を除く発行済株式総数の約3.5%にあたる4000万株、500億円を上限とした自社株買いを発表したこともあり一時9.2%高となり年初来高値を更新しています。

コーセー(4922)も17.9%上昇しストップ高となりました。欧米を中心に展開する「タルト」ブランドや国内向けが好調だったことなどにより第1四半期の営業利益が前年同期比で35.5%増となり、市場予想を大きく上回ったことで買いを集めました。

一方で本決算を発表したローム(6963)が一時12.1%安となり年初来安値を更新しました。産業機器向けの電子部品で在庫調整が長引くうえ、パワー半導体の生産能力を増強するための投資が利益を下押しすることなどにより2025年3月期の営業利益が前期比で67.7%減となる見通しを示したことから売りが膨らみました。

同じく本決算を発表したヤマトホールディングス(9064)も一時13.7%安となり年初来安値を更新しました。取扱数量の増加や集配拠点の集約・大型化などが寄与することなどにより2025年3月期の営業利益が前期比で24.8%増となる見通しを示しましたが、市場予想を下回ったことで売りがかさみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は128円安となりました。昨日の米国市場でダウ平均が続伸となったことや、昨日に大きく下げた反動で一時は220円以上上げる場面もありましたが、75日移動平均線(38,417円)をわずかに上回ったところで伸び悩むと上げ幅を縮め下落に転じました。そのため昨日の25日移動平均線に続いて75日移動平均線も上値抵抗線として意識されそうです。

なお、決算発表が一段と本格化しています。本日も引け後には富士フイルムホールディングス(4901)や日本製鉄(5401)、住友金属鉱山(5713)、ダイキン工業(6367)、パナソニックホールディングス(6752)、日産(7201)、SCREENホールディングス(7735)などが決算を発表する予定です。また、日本時間の21時30分には米新規失業保険申請件数の発表が予定されています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)