東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は4日ぶりに反発となりました。216円安の37,745円で寄り付いた日経平均は9時10分過ぎに316円安の37,644円まで下落しましたが、朝方の売り一巡後に下げ渋ると11時過ぎにプラスに転じ129円高の38,090円で前場を終えました。

174円高の38,136円でスタートした後場の日経平均は14時30分過ぎに254円高の38,216円まで上昇した後伸び悩みましたが、引き続き堅調に推移すると結局117円高の38,079円で取引を終えています。

こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

3月の訪日客数が308万1600人となり、統計をとり始めた1964年以降で初めて300万人を突破したことから百貨店株が買われました。J.フロント リテイリング(3086)が一時3.6%高、エイチ・ツー・オー リテイリング(8242)が一時3.5%高、松屋(8237)が一時3.3%高となったほか、三越伊勢丹ホールディングス(3099)と高島屋(8233)も一時2.4%高となりました。

また、昨日の米国市場で決算を発表したユナイテッド航空ホールディングス[UAL]が急伸した流れを受けて日本航空(9201)やANAホールディングス(9202)が高く、日本航空が一時3.5%高、ANAホールディングスも一時1.7%高となりました。

八洲電機(3153)も一時14.8%高となり年初来高値を更新しました。各事業部門の事業環境が当初の想定を上回って推移したことから37億円とみていた2024円3月期の営業利益の見通しを38億5千万円に上方修正したことで大幅高となりました。

さらに東証スタンダード市場ではあさくま(7678)が株主優待制度の拡充を発表したことで一時22.1%高となっています。

一方で富士フイルムホールディングス(4901)が一時6.3%安となりました。ヘルスケア部門のバイオCDMO事業で新型コロナウイルス感染症ワクチンの原薬製造に関して受領したキャンセルフィーが当初想定した金額よりも減額となったことなどにより2024年3月期の営業利益の見通しを2900億円から2770億円に下方修正したことや、中期経営計画で示した2027年3月期の営業利益の目標が市場予想を下回ったこともあり売りが優勢となりました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は117円高となりました。半導体株を中心にハイテク株に売りが出て昨日の米国市場が下落となったことから朝方には310円以上下げる場面もありましたが、売り一巡後に持ち直すと昨日までの3日間で1,500円以上下げていたこともあり買いが優勢となりました。そのため押し目買い意欲は健在だといえそうで、節目の38,000円を回復したことで警戒ムードもやや後退しそうです。

なお、日本時間の21時30分に米新規失業保険申請件数や4月の米フィラデルフィア連銀製造業景況指数が発表されるほか、23時には3月の米中古住宅販売件数や3月の米景気先行指標総合指数が発表される予定です。また、18日の米国ではネットフリックス[NFLX]が決算発表を予定しています。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)