東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は大幅反発となりました。253円高の38,960円で寄り付いた日経平均は直後に227円高の38,935円を付けた後大きく上げ幅を広げると11時過ぎに905円高の39,612円まで上昇し813円高の39,521円で前場を終えました。845円高の39,552円でスタートした後場の日経平均はさらに上げ幅を広げると大引け間際に1,061円高の39,769円まで上昇し結局1,032円高の39,740円で取引を終えています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。
2.個別銘柄等
149円台前半まで進んだ円安を受けて自動車株が堅調でした。なかでもホンダ（7267）と電気自動車（EV）分野で提携の検討を始めたと発表した日産（7201）が一時6.9％高となったほか、ホンダも一時3.0％高となり上場来高値を更新しました。また、トヨタ（7203）が一時2.5％高、マツダ（7261）が3.6％高、SUBARU（7270）も3.1％高となっています。アスクル（2678）も一時7.9％高となりました。株主還元の充実と資本効率の向上を図るため総還元性向の目標を45％と定め、その方針に基づいて自己株式を除く発行済株式総数の2.31％にあたる225万株、45億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いが優勢となりました。第1四半期決算を発表したエイチ・アイ・エス（9603）も13.7％高となりました。旅行事業やホテル事業が好調に推移していることなどにより90億円とみていた2024年10月期の営業利益の見通しを100億円に上方修正したことで買いを集めました。横浜家系ラーメンの「町田商店」などを展開するギフトホールディングス（9279）も一時13.1％高となり上場来高値を更新しました。値上げ後も客足が順調で第1四半期の営業利益が前年同期比で70.3％増と大幅な増益となったことで大幅高となりました。さらに投資判断と目標株価の引き上げを受けてカカクコム（2371）と楽天グループ（4755）が高く、カカクコムが一時8.1％高、楽天グループも一時8.2％高となっています。
VIEW POINT: 明日への視点
本日の日経平均は1,032円高となりました。149円台前半まで進んだ円安に加え、日銀が本日と明日に開く金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除し、長短金利操作（イールドカーブ・コントロール、YCC）も撤廃する見通しになったと伝わったことにより日銀の政策修正に対する不透明感が後退したことで大きく上げ幅を広げました。そのため目先の調整一巡との見方が強まりそうで、40,000円の大台回復への期待が高まりそうです。なお、金融政策決定会合の結果は明日の昼頃に発表となる予定です。
（マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之）
