米国株が好調で、NYダウは未踏の4万ドルを突破しました。そこで今回は、今後好調な相場が続くなら、魅力的な銘柄を挙げてみたいと思います。

ウーバー[UBER]は70億ドルの自社株買い

筆頭に来るのは、ウーバー・テクノロジーズ[UBER]です。ライド・ヘイリング(配車サービス)、「ウーバー・イーツ」などのマッチングサービスを展開し、ギグエコノミーを代表する会社の一つです。2023年第2四半期に念願の営業黒字を達成し、2024年2月14日には、70億ドルの自社株買いを発表しました。

業績を支えるのは利用者数とサービス利用数の増加です。MAPC は月間の同社サービス利用者数で、月に一度でもモビリティ、もしくはフードデリバリーサービスを使った消費者の数です。2023年第4四半期では前年同期比+15%増えて1億5000万人となりました。 TRIP 数は一か月間に利用されたモビリティ、フードデリバリーのオーダー総数で、+24%増の26億回もの利用がありました。

利用者数の増加と一人あたり利用回数の増加により、グロスブッキングは増加の一途です。これは利用者がウーバーの運転手やフードデリバリーに支払った取扱高の総額であり、2023年は年間20兆円規模にもなりました。ただ、20兆円の総取扱高もそっくりウーバーに入るのではく、このうち5兆円くらいが同社の収入となり、あとはギグワーカーや店舗に配分されます。

ユーザー数や取扱高規模が大きくなると、利益が一気に大きくなっていきます。同社の業績がこのところ良いのは、グロスブッキングからの取り分の割合が増えてきているからです。21年~22年初めころまで、配車サービスにおける取り分(テイクレート)は20%少しでしたが、23年からは28%台に上昇してsいます。フードデリバリーにおいては18%程度だった取り分が20%にまで上昇しました。ただし、その後18%台に低下しました。

ライセンス事業が高収益のクアルコム[QCOM]

半導体メーカーのクアルコム[QCOM]も魅力的でしょう。同社は3G、4G/LTE、5Gなど数多くの無線通信技術の特許を持っています。ライセンスビジネスは、一度開発をしたら、あとは開発コストが掛かりません。ライセンス事業の税引き前利益率は70%を超えています。

アプライド・インダストリアル・テクノロジーズ[AIT]は油圧・空圧機器、液体制御機器で全米トップシェア誇る工業製品ディストリビューターです。ファクトリーオートメーションの設計から入ることで、多くのクロスセルを生み出すことが出来ます。

金融緩和の余地大きく

最後に市場全体の動きについて触れます。筆者は、年内にダウは市場の予想よりも強い基調を続ける可能性があると考えています。その理由はFRB(米連邦準備理事会)がどちらかといえば、インフレなどの状況に対して金融緩和的な措置を取っているからです。たしかに政策金利は高水準なのですが、マネタリーベースはコロナ前の2倍程度の水準を保っており、インフレ率が2%となる前の段階から利下げや、量的引き締めのスローダウンが検討されているともささやかれます。

また、バイデン大統領はFRBが利下げに踏み切る可能性に言及しています。その一方で、トランプ前大統領はパウエルFRB議長の金利政策は政治的だと非難しています。これは、大統領選に向けてどちらかといえば景気の現状に対して金融緩和的な政策がとられる可能性が高いことを示しており、むろんこれは株価にプラスです。