米10年債利回りが4.5%を超え、グロース株が売られる展開

先週(12月23日週)は、クリスマス休暇で12月24日(火)の取引時間短縮と25日(水)の市場休場の影響で、株式市場はいつもより静かな動きでした。この間多くの市場関係者が年末に向けて休暇を取っていることもあり出来高は薄い中、1週間では主要指数のS&P500は0.67%上昇、ナスダック100は0.86%の上げで終わりました。

米国株式市場では、特に大きなニュースがでないこの時期「年末ラリー」、または、「サンタクロース・ラリー」と呼ばれ株式市場が上がるというアノマリーがあります。先週12月24日(火)はサンタクロース・ラリーの初日として、S&P500やナスダック100は好調に上げたものの、その後、26日(木)と27日(金)の市場は下落、利益確定の動きとなりました。27日は米10年債利回りが2024年の5月以来久しぶりに4.5%を超えてきたことで、これまで買われてきたマグニフィセント7銘柄(※)を含む、グロース銘柄が売られる展開となりました。

S&P500、短期的な割高感はなく、年明けに向けてリバウンドの可能性

毎年恒例のサンタクロース・ラリーの期間は、12月24日から1月3日までの7取引日間とされており、年末最終日の12月31日とその翌年の最初の2日間にラリーの兆しが現れる可能性が高いです。これまでのデータでは、S&P500は7取引日の間に平均1.3%の上げとなっています(2024年は12月24日から27日のこれまでで1.15%下落)。

S&P500は12月16日の週に史上最高値から4.4%ほどの調整をしたため、短期的なマーケットの割高感はありません。ですから、米10年債利回りが上がることがなければ、年明けに向けてのリバウンドの可能性は高いと思います。

テスラ[TSLA]、株価高値更新の鍵は、年明け発表予定の第4四半期の納入台数

年明け1月2日には、テスラ[TSLA]の2024年第4四半期の納入台数が発表されます。テスラの2024年第3四半期の納入台数は約46万2,890台で、前年同期比で6%の増加でしたが、今回の第4四半期の納入台数は51万5,000台を超えると予想されています。この予想を超えるとすれば、12月18日の史上最高値から12%調整した同社株は高値を更新に向かうかも知れません。

米国株式市場は年内12月31日まで、また、年明けは1月2日から取引開始となります。

(※)アップル[AAPL]、マイクロソフト[MSFT]、アルファベット[GOOGL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、メタ・プラットフォームズ[META]、エヌビディア[NVDA]、テスラ[TSLA]

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良いお年をお迎えください。2025年も宜しくお願いします。岡元兵八郎