東京市場まとめ
1.概況
本日の日経平均は4日続落となりました。前日の米ハイテク株安の流れを引き継ぎ、179円安の39,010円で寄り付いた日経平均はその後も軟調に推移しました。早々に節目の39,000円を割り込むと、前場は一貫して下げ幅を拡大する展開となり720円安の38,469円で前引けとなりました。
後場は38,300円台から38,500円のレンジで推移しました。今晩の米PPI(生産者物価指数)や15日の米CPI(消費者物価指数)といった経済指標の発表やトランプ氏の大統領就任といったイベントを前に持ち高を落とす動きが見られ、最終的には716円安の38,474円と大幅安で大引けとなりました。
新興市場では、東証グロース250指数が反落、1.2%安となりました。
2.個別銘柄等
アドバンテスト(6857)が9.2%安の9,424円で取引を終え、日経平均を1銘柄で約251円押し下げました。13日にバイデン米大統領によるAI向け先端半導体の輸出規制強化が伝わったことで、半導体産業への逆風が懸念されたことが売り材料となりました。そのほかの半導体関連銘柄も下落が目立ち、ディスコ(6146)は7.6%安、ソシオネクスト(6526)は4.7%安で取引を終えています。
良品計画(7453)が一時9.4%高の3,867円をつけ昨年来高値を更新する場面が見られました。10日に第1四半期決算を発表し、通期の業績予想を従来から上方修正したことが買い材料となりました。営業利益は従来から90億円増額となる前期比14.0%増の640億円を見込み、また年間配当も従来から4円増の44円としたことが好感されています。
安川電機(6506)は4.3%安の4,087円をつけ大幅反落となりました。10日に発表した第3四半期決算にて通期の業績を下方修正したことが売りにつながりました。韓国での半導体関連設備の調整影響や米大統領選に伴う設備投資の様子見が影響し、通期の営業利益を従来から60億円の下方修正となる580億円としたことや、9-11月の受注が前年同期比でマイナスに転じたことが嫌気されました。
INPEX(1605)が1.4%高の1,977.5円で取引を終え、3日ぶりに反発となりました。13日のニューヨーク原油先物が一時79.27ドルと約5ヶ月ぶりの高値をつけたことで、石油開発事業の採算改善を期待した買いが入りました。
コメダホールディングス(3543)が3.1%安の2,664円で、7日続落で取引を終えました。10日に第3四半期決算を発表し、当期純利益が前年同期比1.4%減の44億円となったことで、通期の会社予想(63億円)未達を懸念した売りが出ました。
VIEW POINT: 明日への視点
日経平均は1.8%安で節目の39,000円を割り込んで取引を終えました。先週末の米雇用統計において米国経済の底堅さが示された中で、今晩は12月のPPIの発表が注目されます。市場予想では、ヘッドラインの指数において前年同月比3.0%で前回11月から横ばい、前月比0.3%と前回から0.1ポイント低下が予想されています。消費者物価への先行性も有するPPIが強かった場合には、米政策金利において利下げではなく利上げへの可能性もリスクとして考えられるでしょう。
(マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部 山口 慧太)