【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,722.69  ▼68.66 (3/8)
NASDAQ: 16,085.11  ▼188.26 (3/8)

1.概況

先週末の米国市場は半導体株に利益確定売りが出て3日ぶりに反落となりました。14ドル安でスタートしたダウ平均はプラスに転じると朝方に179ドル高まで上昇しましたが、買い一巡後に伸び悩むと昼過ぎにマイナスに転じ86ドル安まで下落しました。その後下げ渋ると持ち直し取引終盤に再びプラスとなる場面もありましたが、上値は重く引けにかけて売りが優勢になると結局68ドル安の38,722ドルで取引を終えています。また、ハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も188ドル安の16,085ポイントとなっています。

2.経済指標等

2月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比27万5000人増となり市場予想を上回りました。一方で失業率は3.9%となり横ばいとみていた市場予想に反して上昇し悪化しました。また、平均時給は前年同月比4.3%上昇に止まり市場予想を下回っています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち情報技術や生活必需品、素材などの6業種が下げ、情報技術は2%近く下落しました。一方で不動産やエネルギー、公益事業などの4業種が上げ、不動産は1%以上上昇しています。コミュニケーション・サービスは変わらずでした。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄ではインテル[INTC]が4%を超える下落となったほか、ボーイング[BA]も2%以上下げました。ハネウェル・インターナショナル[HON]も1%近く下落しています。一方でスリーエム[MMM]とシスコシステムズ[CSCO]、アップル[AAPL]が1%以上上げ、ナイキ[NKE]とセールスフォース[CRM]も1%近く上昇しています。ダウ平均構成銘柄以外では半導体関連株が安く、半導体株では決算で主力部門の売上高が市場予想に届かなかったブロードコム[AVGO]が7%近く下げ、エヌビディア[NVDA]も5%を超える下落となりました。クアルコム[QCOM]も3%近く下げ、アドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とウエスタン・デジタル[WDC]も2%近く下落しています。半導体製造装置株ではラム・リサーチ[LRCX]が4%近く下げ、アプライド・マテリアルズ[AMAT]とKLA[KLAC]も3%以上下落しています。また、英半導体設計大手のアーム・ホールディングス[ARM]も6%を超える下落となっています。さらに会員制スーパーのコストコ・ホールセール[COST]も決算で売上高が市場予想に届かなかったことから7%以上下げています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は0.01%低い4.07%となりました。ドル円は米雇用統計で平均時給の伸びが市場予想を下回ったことで米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げが意識され一時146円台半ばまで円高が進む場面がありました。朝方は147円近辺で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国市場での半導体株安と円高を受けて下落してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が節目の39,000円を維持できるかがポイントとなりそうです。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)