日経平均4万円台スタート、さらなる上昇の可能性も

前週末、米国で発表されたISM製造業景況感指数は47.8と市場予想を下回る弱い数字だった。これを受けて米長期金利が低下。反対にナスダックは大幅に上昇し、連日での史上最高値更新となった。ハイテクの中でも特に半導体株が強く、エヌビディア[NVDA]が4%高、アドバンスト・マイクロ・デバイセズ[AMD]が5%超の上昇となり、フィラデルフィア半導体株指数(SOX指数)は4%超の大幅高を連日で演じた。週明けの東京市場で日経平均は4万円の大台をつけてのスタートとなりそうだ。

日経平均が4万円の大台をつけるのは九分九厘確実だが、問題はそのあとだ。さすがに過熱感と目標達成感から一服となるのが自然だが、先週末の米国市場の動きからは、日経平均が大幅高となった先週末の「再現」となっても不思議はない。つまり、また大幅高となる可能性が高い。一気に4万500円の節目くらいは抜けてくるのではないか。

市場の流動性が低下するなか、株価は乱高下しやすい状況に

3月1日付けストラテジーレポート「4万円まで指呼の間」でも書いたが週末8日はメジャーSQだ。1月、2月同様、ショートスクィーズの動きが強まりそうだ。売り方の踏み上げを狙って意図的に株価を吊り上げる仕掛け的な買いが入る可能性がある。また、8日は米国で雇用統計の発表がある。多くの機関投資家は統計待ちで様子見となるだろう。市場の流動性が低下するなか、投機筋の「空中戦」で株価が乱高下しやすい。先物の最終売買前日の水曜日くらいから、相場の波乱に注意したい。

月初目白押しの重要な経済指標の発表他、ECB理事会、原油価格にも注意

月初ということで雇用統計以外にも重要指標の発表がある。6日にISM非製造業景況指数、ADP全米雇用レポート、JOLTS求人件数が発表される。また6日にはFRBが地区連銀経済報告 (ベージュブック)を公表する。パウエル議長の半期議会証言もある。6日に下院金融サービス委員会、7日に上院銀行委員会で証言を行う。

米国以外では7日の欧州中央銀行(ECB)理事会が注目だ。ECBは政策金利を3会合連続で据え置いているが、先月下旬に公表された1月の理事会の議事要旨によれば利下げ開始の議論は「時期尚早」で「拙速な利下げのリスクは遅すぎる場合より大きい」との認識が共有されていたことが明らかになった。ラガルド総裁はダボス会議で個人的な見解として、夏の利下げの可能性に言及した。こうしたことから6月の利下げ開始が市場のコンセンサスだが、今回の会合でこの見方を修正する手掛かりが出てくるか注目したい。

あまり話題になっていないが、原油価格の上昇にも目配りしておきたい。1日のニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX)でWTI期近の4月物は79.97ドルで取引を終えたが、一時は80ドル台に乗せ約4ヶ月ぶりの高値を付けた。石油輸出国機構(OPEC)プラスの自主減産延長の思惑が背景だが、ガザ情勢も絡む。当然、インフレや欧米の利下げにも影響を与えるだけに注視したい。

予想レンジは3万9500円~4万900円とする。