東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は続落となりました。157円安の36,002円で寄り付いた日経平均は取引開始から10分余りで254円安の35,906円まで下落した後持ち直すと10時前にプラスに転じ10時10分過ぎに34円高の36,195円を付けました。しかし、昨日の終値を上回ったところでは上値が重くまもなくして売りが優勢になると38円安の36,122円で前場を終えました。68円安の36,092円でスタートした後場の日経平均は再び下げ幅を広げると13時前に306円安の35,854円まで下落しました。その後は下げ渋ると持ち直しましたが、引き続き軟調に推移すると結局40円安の36,119円で取引を終えています。一方でTOPIXは上昇となりましたが、新興市場は安く東証グロース市場250指数が下落となっています。

2.個別銘柄等

三菱商事(8058)が一時10.9%高となり上場来高値を更新しました。自己株式を除く発行済み株式総数の10%にあたる4億1700万株、5000億円を上限とする自社株買いを発表したことで買いを集めました。ローソン(2651)も一時16.2%高となり上場来高値を更新しました。KDDI(9433)が1株10,360円でローソンに対しTOB(株式公開買い付け)を実施すると発表したことでTOB価格にさや寄せする格好で上げ幅を広げました。第3四半期決算を発表し通期の業績予想を上方修正したジーエス・ユアサ コーポレーション(6674)やツムラ(4540)も買われました。ジーエス・ユアサ コーポレーションはコスト上昇に対して着実な販売価格の是正を進めたことや、経費削減の効果もあり370億円とみていた通期の営業利益の見通しを420億円に引き上げたことで一時21.2%高となりました。ツムラも国内加工費や販管費等が計画を下回る見込みとなったことにより180億円とみていた通期の営業利益の見通しを195億円に引き上げたことで一時11.9%高となり昨年来高値を更新しています。一方でダイキン工業(6367)が一時10.8%安となりました。第3四半期9ヶ月間累計の営業利益は前年同期比で0.9%増となりましたが、第3四半期3ヶ月間の営業利益が前年同期比で13.8%減と減益に転じたことで大幅安となりました。シャープ(6753)も一時10.1%安となりました。スマホ向けやパソコン向けの需要回復が遅れ中小型ディスプレーの市況が厳しいことなどから100億円の黒字とみていた通期の最終損益の見通しを100億円の赤字に下方修正したことで売りが膨らみました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は40円安となりました。昨日の米国市場での半導体株安や円高が相場の重石となり売りが優勢となりました。節目の36,000円を割り込む場面もありましたが、下げ渋ると持ち直し36,000円を上回って取引を終えました。そのため押し目買い意欲は引き続き健在だといえそうです。なお、3月決算企業の第3四半期決算発表が続いています。本日も引け後には日本製鉄(5401)やスズキ(7269)、オリックス(8591)、ソフトバンク(9434)などが決算を発表する予定です。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)