先週FOMCでパウエル議長は3月利下げの可能性を否定、しかし3指数とも史上最高値を更新

先週NYダウは1.59%上昇、S&P500は1.32%上げ、ナスダック100も0.72%上昇しました。主要3指数共に2月2日(金)は史上最高値を更新し、14週連続で史上最高値更新となりました。

2月1日(木)の米連邦公開市場委員会(FOMC)後の会見で、パウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長は3月の利下げ可能性を否定しました。その結果、市場の期待を後退させ、株が売られる展開となりました。翌日2日(金)に発表された非農業部門雇用者数は、前月比35.3万人増となり、予想の中央値18.5万人増を大幅に超えたものとなりました。また、賃金(平均時給)についても前月比0.6%増で、予想の0.3%増と前月の0.4%増を上回った内容となりました。経済の強さを意味する経済指標の発表を受け、10年債利回りは上昇したのですが、株価は下落せず史上最高値を更新したのです。

メタ・プラットフォームズ[META]は好決算を受けて20%急騰、2022年10月から5.5倍以上の上昇

先週の株式市場を押し上げたのはGAFAM企業の一部の決算発表です。2月1日(木)の引け後、アナリストの予想を上回る決算発表を行ったメタ・プラットフォームズ[META]の株価は発表の翌日1日で20%以上急騰、史上最高値を更新しました。また好決算に加え、500億ドルの自社株買いと初めて四半期配当を支払うと発表したことが好感されました。

今回の決算で思い出されたのは2022年10月の決算発表のことです。覚えている読者の方も少なくないと思いますが、あの時の決算発表では、同社の業績の悪化に加え、ザッカーバーグCEOがメタバースの投資に莫大な研究開発費を投下すると発表しました。ウォール街のアナリストは軒並みメタの目標株価を引き下げ、投資家はメタ株を投げ売り、株価は1日で25%下落しました。あの時はメタの株価が「メタメタに売られた」と言う冗談が出たくらいです。あの時からメタは大きな復活を遂げます。当時メタの株価は88.09ドルの安値をつけたのですが、先週メタの株価は485.96ドルをつけ、これまで5.5倍以上上がってきたのです。

この日、同じく予想を上回った決算発表を行なったアマゾン・ドットコム[AMZN]の株価も7.9%上昇、52週高値を更新となりました。

米国株時価総額トップ10企業の熾烈な競争にも今後に注目

このところ米国株時価総額トップ10企業の中で、下剋上が起きています。2010年にマイクロソフト[MSFT]の時価総額を抜き、これまで長い間世界の株式市場の時価総額1位であったアップル[AAPL]は2024年の1月にマイクロソフトにその1位の座を譲ることとなりました。

同じく1月にはテスラ[TSLA]の株価が下落、マグニフィセント・セブン(※)の7位の座から落ち、バークシャー・ハサウェイ[BRK.B]とイーライリリー・アンド・カンパニー[LLY]に時価総額で抜かれたのです。

先週は、これまで時価総額4位であったアマゾンが、これまで3位だったアルファベット[GOOGL]を抜き、3位の座を獲得したのです。米国株市場における時価総額トップ10企業の間では、仁義なき戦いが起きているのです。

マイクロソフトに時価総額1位の座を奪われたアップルですが、私は、アップルはまたマイクロソフトの株価を抜くと考えていますし、テスラもまたマグニフィセント・セブンの仲間としてまたランクアップしてくると考えています。その理由は今後説明していきたいと思います。

【図表】マグニフィセント・セブン時価総額の推移(2021年12月~2024年1月末)
出所:Bloombergよりマネックス証券作成

(※)アップル[AAPL]、マイクロソフト[MSFT]、アルファベット[GOOGL]、アマゾン・ドットコム[AMZN]、メタ・プラットフォームズ[META]、エヌビディア[NVDA]、テスラ[TSLA]の7銘柄