【米国株式市場】ニューヨーク市場

NYダウ: 38,654.42  △134.58 (2/2)
NASDAQ: 15,628.95  △267.31 (2/2)

1.概況

先週末の米国市場は決算を発表した大手ハイテク株が大幅高となったことを好感した買いで続伸となり、ダウ平均とS&P500株価指数が史上最高値を更新しました。71ドル安でスタートしたダウ平均は強い米雇用統計を受けて早期の利下げ期待が後退したことから朝方に183ドル安まで下落する場面もありました。しかし、売り一巡後に下げ渋ると昼前にプラスに転じ取引終盤には263ドル高まで上昇しました。その後は引けにかけてやや上げ幅を縮めましたが結局134ドル高の38,654ドルで取引を終え前日に続いて史上最高値を更新しています。また、S&P500株価指数も52ポイント高の4,958ポイントとなり1月29日に付けた史上最高値(4,927ポイント)を更新しています。さらにハイテク株比率が高いナスダック総合株価指数も267ポイント高の15,628ポイントとなり1月29日に付けた昨年来高値をわずかに上回っています。

2.経済指標等

1月の米雇用統計で非農業部門雇用者数は前月比35万3000人増となり市場予想を大きく上回りました。平均時給も前年同月比4.5%上昇し市場予想を上回りました。失業率は前月と同じ3.7%となっています。また、1月の米ミシガン大学消費者態度指数確報値は79.0と速報値から上方修正され市場予想を上回りました。12月の米製造業新規受注は前月比0.2%増となり市場予想と一致しています。

3.業種別動向

業種別S&P500株価指数は全11業種のうち6業種が上げ、コミュニケーション・サービスが4%を超える上昇となったほか、一般消費財・サービスも2%以上上げています。また、情報技術も1%を上回る上昇となりました。一方で5業種が下げ、公益事業が2%近く下落し、不動産も1%以上下げています。

4.個別銘柄動向

ダウ平均構成銘柄では決算で四半期利益が市場予想を上回ったシェブロン[CVX]が3%近く上げたほか、キャタピラー[CAT]も2%を超える上昇となりました。マイクロソフト[MSFT]も2%近く上昇し、アメリカン・エキスプレス[AXP]とトラベラーズ[TRV]、ゴールドマン・サックス[GS]も1%以上上げています。一方でウォルグリーン・ブーツ・アライアンス[WBA]が2%を超える下落となり、インテル[INTC]とジョンソン・エンド・ジョンソン[JNJ]、スリーエム[MMM]、ナイキ[NKE]も1%以上下げています。ダウ平均構成銘柄以外ではフェイスブックを運営するメタ・プラットフォームズ[META]が決算で売上高が市場予想を上回ったうえ、四半期配当を初めて実施すると発表したことから急伸し20%余り上げています。同じく決算を発表したアマゾン・ドット・コム[AMZN]も売上高が市場予想を上回ったことで8%近く上げています。また、半導体株が高く、なかでもアドバンスト・マイクロ・デバイシズ[AMD]とエヌビディア[NVDA]が4%を超える上昇となっています。

5.為替・金利等

先週末の長期金利は強い米雇用統計を受けて利下げ観測が後退したことで0.14%高い4.02%となりました。こうしたなかドル円は円安に振れ148円台前半で推移しています。

VIEW POINT: 今日の視点

本日の日本市場は米国株高を受けて上昇してのスタートが予想されます。こうしたなか日経平均が朝方の買い一巡後にさらに上値を伸ばすような動きをみせるかがポイントとなりそうです。また、本日は日本時間の午前9時にパウエル米連邦準備制度理事会(FRB)議長が米CBSのニュース番組に出演する予定で発言が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)