東京市場まとめ

1.概況

本日の日経平均は米ハイテク株高を受けて大幅続伸となりました。330円高の36,294円で寄り付いた日経平均は直後に262円高の36,225円を付けた後上げ幅を広げると10時前に572円高の36,535円まで上昇しましたが、節目の36,500円を小幅に上回ったところで伸び悩むと11時過ぎに339円高の36,303円まで上げ幅を縮めました。しかし、その後持ち直し引けにかけて再び上げ幅を広げ大引け間際に608円高の36,571円まで上昇すると結局583円高の36,546円で取引を終え、先週末に続いて昨年来高値を更新しています。こうしたなか新興市場も高く東証グロース市場250指数が上昇となっています。

2.個別銘柄等

ダイキン工業(6367)が一時3.2%高となりました。ナイジェリアで組み立てラインを設けたのを皮切りに、アルジェリアでも生産の準備を進めるなど、アフリカで住宅用空調の生産網を構築すると伝わったことを好感した買いが入りました。日機装(6376)も3.5%高となり昨年来高値を更新しました。石炭火力発電の燃料混焼用として燃焼時に二酸化炭素(CO2)を排出しない液体アンモニアの供給ポンプを2026年に発売すると伝わったことを材料視した買いが入りました。TOYO TIRE(5105)も一時7.8%高となりました。ホンダ(7267)の人気車種「N-BOX」向けに、TOYO TIREが契約で定められた管理基準から大幅に外れた数値の部品を納入していると伝わったことから先週末に急落しましたが、本日の取引開始前にTOYO TIREが「そのような事実はない」とのコメントを発表したことで買い戻しが入りました。また、先週末の米国市場で半導体株が買われた流れを受けて日本市場でも半導体関連銘柄が高く、東京エレクトロン(8035)が一時3.8%高、レーザーテック(6920)が一時4.9%高、SCREENホールディングス(7735)が一時5.4%高、アドバンテスト(6857)が一時4.4%高、ディスコ(6146)も一時3.0%高となり、揃って上場来高値を更新しています。さらに東証スタンダード市場では日本エコシステム(9249)が23.8%上昇しストップ高となりました。3月末と9月末に200株以上保有する株主を対象に15,000円分のクオカードを贈呈する株主優待制度を新設すると発表したことで買いを集めました。

VIEW POINT: 明日への視点

本日の日経平均は583円高となりました。半導体株を中心にハイテク株に買いが入り先週末の米国市場が大幅高となり、ダウ平均とS&P500株価指数が揃って史上最高値を更新したことから続伸となりました。上げ幅を大きく広げ節目の36,500円を上回って取引を終えたことから地合いの強さが改めて意識されそうですが、25日移動平均線(34,090円)との乖離率が7%超まで広がり短期的な過熱感が一段と強まるなかでどこまで水準を切り上げることができるかが今週はポイントとなりそうです。なお、明日は昼頃に日銀の金融政策決定会合の結果が発表される予定です。能登半島地震の影響でマイナス金利解除の観測が後退していることもあり結果が注目されます。

(マネックス証券 シニア・マーケット・アナリスト 金山 敏之)