経済指標は引き続きインフレ低下を示す
米国ではサンタクロースラリーが続いています。
クリスマスを前にした先週のS&P500は0.58%上昇、4754.63ポイントで1週間を終えました。先週も上昇したので8週連続の上げとなります。これは2017年11月3日来のことです。12月20日(水)は午後に入り急にマーケットで売られ、先週末比で下げる局面もあったのですが、その後2日間でマーケットは上昇モメンタムを取り戻し先週も上げて終えました。
先週発表された経済指標は引き続きインフレの低下を示唆するもので、マーケットのサポート材料となっています。22日(金)の11月のPCEデフレーターは、先月比+0.06%と、市場の予想である+0.2%を下回りました。
先週米国10年債利回りは1.6bp(0.016%)下がり3.895%で1週間を終えていますが、これは2023年7月末のレベルです。
大統領就任3年目の年最終週の上昇確率は通常より高い
このところ市場の裾野が広がっていることを指摘してきましたが、先週もそのトレンドは継続しています。先週ナスダック100は0.81%上げましたが、小型株指数であるラッセル2000は1.61%の上げとなっています。
今週12月25日(月)はクリスマスで米国市場は休場となりますが、翌26日からのマーケットは引き続き上昇すると考えられます。12月4日のマネクリでご紹介した通り、大統領就任3年目の年最終週のS&P500は上昇する確率が通常よりも高くなります。
1928年からのデータによると、そもそも最後の週は72.73%の確率でプラスとなり、中央値で0.71%の上げなのですが、大統領就任3年目の年については、78.26%の確率でプラスになり、その上昇率は中央値で0.75%となっているのです。
ウクライナ、イスラエル支援の予算合意の可否が年初のリスクになる可能性
12月20日(水)、米議会は緊急予算について、年内の合意を断念しました。
これはウクライナやイスラエルへの支援継続のために必要な予算です。年明けの案件となり、果たして合意ができるか否か、これは市場にとってのヘッドラインリスク(フラッシュニュースで相場が大きく動くリスクのこと)となる可能性があります。
大統領選に、新NISA…2024年の米国株投資のコツは?
2024年新NISAが始まるにあたり、「米国株は年初に全部買った方が良いですか?」という質問が少なくありません。2024年は米国では大統領選挙の年です。米国株のアノマリーを調べてみますと、大統領選挙の年の米国株は、1928年からの大統領4年サイクルで2番目に株価の上昇率が高い年です。
つまり、2024年の年末の株価が高い可能性は高いのですが、S&P500は10月末からこれまで駆け足で16%上がってきたことを考えると、年明けに一時的な株価の調整が起きてもおかしくないと思っています。また、4年サイクルの四年目の最初の数ヶ月間のマーケットは弱ぶくむ傾向があります。
ですから、2024年新NISAで米国株を始めるのであれば、年初に全ての資金を投資してしまわないで、少なくとも最初の4ヶ月間の間、時間の分散でコツコツと投資を行う方が良いと思います。
今年も1年間私のコラムをお読みいただきましてありがとうございました。皆様良いどうぞお年をお迎えください。来年もまた宜しくお願いします。